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20代最後のゲイのエッセイ  作者: 湊 俊介


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29歳という年齢について。

29歳という年齢について。


 僕の生まれた場所は東北の田舎で、そこに26年間住んでいた。田舎と言っても東北の中ではまだましな方の地域ではあったけれど、いざ関東に住んでしまうと田舎だったんだなと感じた。


 久しぶりに帰ると夜は街灯の明かりがちらほらあるだけ、家の方に向かうにつれて本当に真っ暗になる。車は関東に持ってきているからバスを使おうとすると、次来るのはやっぱり30分以上後だし、SuicaもPASMOも使えないことに驚いた。砂利道でさえ関東では見かけない。コンビニも遠い。


関東に住んでいると、東京や横浜で気になるイベントがあればすぐに行けるし職場での距離感も田舎ほど近くない。いい意味で干渉しあわない。「都会の人は冷たい」って今時言わないのかもしれないけれど、それは田舎での過干渉な生活が肌に合っている人たちの意見だと思う。僕には都会の程よい距離感の生活の方が肌に合う。それに疲れない。


 地元じゃ休みの日に車を走らせていると、どこかしらで誰かに見られてしまう。みんな車で相手を認識しているから変なところに行けない。パチンコ屋なんかにいるとすぐにばれる。(僕はやらないけどね)


 29歳という年齢も田舎と都会じゃ見え方が変わってくる。田舎の29歳男性ゲイじゃないと言えば、早い人だととっくに結婚して子供が小学5、6年生にもなる。友達の子供が小学生だなんて、正直信じられない。小学生の時に出会った友達の子供が小学生。何度考えても笑えてくる。

 うまくいってない友達だと家を建てて離婚したり、離婚後に別な人と再婚したり、みんな真っ当な田舎の20代を過ごしてきたんだと思う。正直すごいと思う。僕がゲイじゃなかったとしても、そんなことができていたかは分からない。たぶんできていないと思う。

 子供を産んで、家を建てて、車を買って……。家族のために働く。それが田舎の29歳の大まかなイメージ。



 都会の29歳のイメージは、そろそろ結婚をするか、将来を見据えて転職するか、まだ自分の時間を大切にしながら次のフェーズに移行し始める時期なように感じる。

 

どっちが正解ってこともないし、ゲイの僕には子供なんてできないからあまり関係ない話なんだけれど、それを分かったうえでインスタに上がる友達の子供が生まれた報告を見るたびに無駄に胸を擦り減らしている気がする。今日この頃。


 


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