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20代最後のゲイのエッセイ  作者: 湊 俊介


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初恋を拗らせ続けたゲイの話①

 初恋は初恋のままで、片思いは片思いのままで終わることが綺麗なのかもしれない。ゲイである僕の本当の初恋は高校生のころだと思う。それ以前にも人を好きになったことはあるような気もするけれど、セクシャリティの葛藤の中で起きていたことだからそれが本当の恋だったのか分からない。


 僕が恋に夢中になって、嫉妬、やきもち、依存したのは高校生の時が初めてだ。常に一緒にいたくて触れたくて、笑わせたくて喜ばせたくて、僕は彼に恋をしていた。


 その彼というのは部活の後輩だった。一つ下の後輩で小さくて細くて虐待されて捨てられた猫みたいに心を開かなかった。話しかけてもモジモジとうまく話せなくて、笑いもしない。挙動不審でよく生きてこれたなと思うレベルだったのは本当の話だ。


 そんな彼に何で魅かれたかというと、僕と二人だけの時に笑ってくれたからだ。出会ってから一年くらいは正直そんなに好意は無かったと思う。可愛いらしいけれど暗い後輩ってだけ、帰り道が同じ方向だから一緒に帰っていた。ある時気づいたのが、二人になるとよく話すし、よく笑うということだ。一年も経てば部活内でも笑ったり話したりするようにはなっていたけれどそれ以上に明るく感じた。ギャップ萌えと言えばそんなところなのかもしれない。それをきっかけに僕は彼を好きになった。

  

 彼は真面目な性格だった。クソがつくほどに真面目で試合が終わると彼だけ、先輩全員にどこが良かったかというLINEを送っていた。そこにもまた魅かれていった。練習中に上手くいかないと泣き出すこともあったし、キレて部室から飛び出していくこともあった。彼はとても未熟だった。だけどそれが愛しくて許せてしまった。


 喧嘩もしたしたくさん遊びにも行った。夏は花火からお祭り、海に行って冬はイルミネーションを見て初詣も行った。2・3年で行った課外学習ではクラスメイトを放って彼と行動をしていた。そしてまた喧嘩もして、僕は先に卒業になった。

 いかなる方法を使って留年しようかを考えていた。僕は嘘偽りなく本気で真剣だった。だけどそんなことできるわけもなく、僕は就職をした。


 それで終わらせておけば綺麗な初恋で終わっていたはずだ。だけど僕は禁忌を犯した。今こうして見ると禁忌とも言える。




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