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20代最後のゲイのエッセイ  作者: 湊 俊介


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ソファの回収費用0円か6600円かに勝った話。失ってから気が付く大切さ。


 引っ越しの見積もりが終わって荷物を運ぶ日程も決まった。そうなると本当に今住んでいる家の荷物を整理しなければいけない。今使っているソファとコーヒーテーブルを処分して新しいものを買おうと決めると、僕はすぐに捨てたくなった。年始にバタバタしないように年末を越える前に大きなソファを処分したい。


 住んでいる市で行っている行政サービスがある。それに予約してみると1000円の処分用のシールを購入して貼り付ければ、次の回収で処分できるみたいだった。次の回収が来年の8日だ。ただ今住んでいるアパートのごみ捨て場は車一台分しか通れない細い道路に面していた。その道路端にこの大きなソファを置いたのを想像してみると、車が通れなさそうで心配になった。実際に現場を見に行ってみると思っていたよりは道路幅はあるけれど、ソファを置くスペースは道路上しかない。それに見回りでたまにパトカーも通る。ここにソファを置くのは心配だ。

 

僕はそんなことが心配で仕方がなかった。そうなればこの捨て方は最終手段で他を探してみようと近くの回収業者に連絡をしてみた。最近はLINEで写真を送ると見積もりを出してくれる。一番近い所に送ってみると「リユースでできそうなら無料で回収できますが、そうでない場合回収費用6600円になります」と返ってきた。


あのソファを車に突っ込んで運んで、6600円払うのは馬鹿みたいだからリユース不能だったら持ち帰る。可能だったら処分費用が1000円から0円になる。僕はイチかバチか車にソファを詰め込んだ。


ソファは二人掛けでニトリのラタンソファだ。中古で買った時も車に詰め込んで帰ってきたはずなのに、どうやって運んできたのか車に積み切れない。角度を変えて、向きを変えて冬の夜に汗だくになりながらどうにか積み込んだ。運転席はいつもの半分しかスペースが無かった。


 翌日の朝一番で回収業者に持ち込むと、従業員が次から次へとソファを見なりながらに来た。判断できる人間がいなかったのかもしれない。「処分費用かかるかもしれませんが……」と最初に話しかけた女性に言われて不安になりながら待っていると、大丈夫ですと無料回収の許可が下りた。


 よかったと、胸をなでおろして家に帰るとソファのあったリビングは、仲のいい友達が転校してしまった後の教室みたいに少しの寂しさがあった。

 そして気が付いた。ソファが無いから地面に余っていた布団カバーを敷いて座っているけれど不便。とても不便。床は冷たいし固い。それに背もたれが欲しい。


 まだクリスマス、お正月があるのにどうしたものかと。捨ててから気が付いたソファの偉大さでした。


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