チーズナン好きは大体ゲイ。好きな日本料理は天津飯とチーズナンです。これが事実です。
いまだに信じられない事実がある。好きな中華料理はと聞かれたら天津飯だという。好きなインド料理と聞かれたらチーズナンだという。
ふわふわな卵に濃厚な餡のかかった天津飯を中華料理屋に行くたびに頼んでいたし、チーズたっぷりなのにお値段がリーズナブルなチーズナンをカレー無視して頼んでいた。
パートナーと出会ったばかりのころに中華料理を食べに行ったとよく連絡がきた。職場が高田馬場で中華料理屋が多いみたいだ。それで僕は、中華料理だと天津飯が好きなんだよと、パートナーに送った。すると信じられない事実が返ってきた。
「天津飯って中華料理じゃないんだってさ。中国人の友達が中国には天津飯ないって言ってたよ」
頭の中は「?」マークで埋め尽くされた。それなら王将やレンゲ食堂で出されている天津飯は何者なのか。調べてみると日本人向けに合わせて開発された、日本発祥の中華料理のようだ。僕にとっては、地動説が正しいとされる世界で実は天動説が正しいと証明されたみたいな、世界がひっくり返る事実だった。
ちなみにエビチリ、中華丼、冷やし中華も日本発祥中華料理みたいだ。
ある日僕は、チーズナンがどうしても食べたい衝動に駆られていた。パートナーにチーズナン食べに行きたいと連絡をして、どこのインド料理屋がいいかを調べていた。目ぼしいお店が見つかって、本場のチーズナンはどんな感じなのかが気になって調べているとまた驚きの事実が見つかった。
「チーズナンはインドにはありません。日本発祥だと言われています」
チーズナンもまた、日本人の口に合うように作られた日本発祥のインド料理だった。僕の口はまさに日本人の味覚を持っていて先代の料理人たちの手にまんまとはまっていたみたいだ。
僕の好きなものは日本発祥の異国料理。
だけど天津飯の次に好きな中華料理と聞かれてもすぐには出てこない。チーズナンの次に好きなインド料理と聞かれても即答できない。だから僕は恥ずかしがらずに言い続けようと思う。それに意外と、この事実を知らないで生きている人も多いと思う。
これを読んで事実を知って、僕と同じく天津飯とチーズナンを愛する方は変わらずに言い続けましょう。好きな中華料理は天津飯で、好きなインド料理はチーズナンだと。
チーズナン好きな男は基本ゲイという偏見を僕はなぜか持っている。




