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20代最後のゲイのエッセイ  作者: 湊 俊介


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銀座の街は怖い。高級なペットボトル飲料

銀座の夜は怖い。


僕が銀座に行くことはそうそうない。ギンギラギンに光り輝く高級ブランドの店と、それに集まる外国人のイメージ。よほどのことがなければ縁がない。駅を出ると案の定予想通りの町並みで関東に住み慣れてきたとはいえ、これには慣れない。


今回銀座に行くのはコンサートの付き添いの為で、そうでもなければ用がない。パートナーの知り合いが出るというから一緒に行くことになった。僕が悪いのだけれど、その日は朝から何も飲まず食わず働いてそのまま銀座に移動した。


だからとても、喉が渇いていた。とても。

近くに自販機がないかブランド店が立ち並ぶ通りをさまよい探してみても見つからない。マップで近くのコンビニを探してみたら近くに数件表示された。もう少し歩けばセブンイレブンがあるのだけれど、歩くことすらだるいくらいに喉が渇いていて一番近い少しマイナーなコンビニを目指した。


マップの指示通りに進むとこんなところにあるのかと不安になる。天井の狭い飲み屋街のような敷地の中に入った。左に曲がるとお店が見えた。店の前には自販機があったのだけれど、銀座の自販機はディズニーランドと同等なくらい高いだろうと見向きもせずに店内に入った。6畳くらいしかなさそうな窮屈な店内。いや、6畳もない。足の踏み場は1人分で他の客が来たらすれ違えない。


いらっしゃいませの挨拶は聞こえなくて店員がいないのかと思った。狭い店内を見渡すと入り口側すぐのレジにおじさんが座って携帯を覗き込んでいた。こっちのことは興味もないように一度も見ない。ペットボトルの飲料は値段が書いてなくて、まあ160円程度だろうと予想してどこのコンビニでも置いてあるレモンティーを選んだ。チョコスティックパンは130円くらいの値段が書かれていたからそれも手に取ってレジのおじさんに渡した。


レモンティーは値段が書いてないけど、この小汚いコンビニなら安さが売りなのだろうと失礼ながらにも思った。レジのおじさんはスマホを置いて、スキャナーをレモンティーに当てた。デジタル表示のレジの金額には210と表示された。


え、高くないか。

 僕は心の中で突っ込んだ。だけどおじさんが、喉が渇いている僕を見抜いて金額を釣り上げてやろうみたいな、砂漠にいる商人のように悪徳な商売をしているわけではないはずだ。彼は手打ちで金額を入力したんじゃない。スキャナーで、バーコードを読み取った。これがこの店の正規の値段だ。


だけど僕の喉の渇きはまさに砂漠の旅人だ。背に腹は代えられなくて代金を払った。お店を出て、外の自販機を見てみると同じメーカーの紅茶が160円で売られていた。


銀座の街は怖い。


すぐにレモンティーを飲むと喉の渇きが一気に癒やされた。それに210円のレモンティーはその金額分、美味しく感じた。



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