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20代最後のゲイのエッセイ  作者: 湊 俊介


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ゲイの賃貸探しの旅③

「そうなんですね!それならその方向でお部屋を探しましょう」

「よろしくお願いします」


職業柄いろんな人と出会うのだと思う。特にゲイカップルだからと言って変な顔をすることは一瞬もなかった。だけど突然のカミングアウトに一気に疲れてしまった。

「そういった【属性】の方増えているんですけど、古い管理会社だとまだ偏見が多くて……。ちょっと条件に合うところ探してみますね」


彼は真剣に、僕たちに会う部屋を探してくれた。【属性】という言い方が気になったのは、ちょっと過剰かもしれない。その人なりに考えた上でのセクシャルティの違いのとらえ方だ。

属性というと、炎タイプは水タイプに弱かったり、紫ピクミン力持ちだったりそういった違いになるのか。


男が好きな男。見た目が女で心は男……。それも【属性】


表現的に間違っていないか。と妙に納得してしまった。


目ぼしい物件を見せてくれて3件目、ビビッとくる物件で予算は少しばかり想定を超えてきたけれど無理じゃない金額。(それでも今のところよりは個人負担は低くなる)

ここがいいですと、パートナーとも意見があって見学へ。


移動中の車内ではパートナーが音楽について熱弁して、それに担当の彼はいい感じに相槌を打っていたから、僕はほとんど話さずに済んだ。そして前回物件を紹介した人もゲイのカップルだったと話してくれた。だけど僕たちとは違ってザ、お姉という感じだったらしい。10年付き合っているカップルで新宿2丁目で働いているらしい。


ここまで話されるならきっと僕たちのことも、他の誰かに話されるのだろうと思う。だけど知らないゲイのカップルが10年続いて付き合っていて家を探しているということになんだか少しだけ明るい未来が見えた気がした。ゲイのカップルの将来には何が待っているのか、それは子供を持たない男女のカップルと同じなのか、とても気になるところだ。


そんなことを話して考えていると車は物件のマンションへ。建物の最上階(と言っても何十階もあるわけじゃない)部屋の中に入ると写真よりもいい雰囲気で、住むイメージがついてしまった。全部の部屋を開けて隅々まで見て、新居に連れてこられた猫みたいに歩き回って心は決まっていた。担当の彼は一応、いい点をこれでもかと言わんばかりに言ってきて決め手にしようとしていたけれどそんなことをしなくても変わらなかった。


「ここにします」と決めた。


正直、借りるアパートをこの日に決めるとは思っていなかった。何箇所か見て回ってどこにするかは後日、そんな感じにしようかと思っていたけれど勢いも大事だ。流れに任せることにした。


担当する不動産屋は別みたいで、そこに連れていくと説明された。不動産屋から、不動産屋へ、いったいどういう仕組みになっているのか謎だった。物件を紹介して、親切に案内してくれたこの不動産屋にも手数料は入るのだろうか。


それで連れられた別の不動産屋へ行った。いろんな場所にあるいわゆるチェーン店だけど、丁寧な接客のお店だった。そこで賃貸の入居審査の書類を記入して提出した。受かりやすそうな方を審査に出そうと、社会的な地位はパートナーの方がフリーターの僕より高いはずだからお願いをした。(貯蓄はね。僕の方があるんだけど)


物事って動き出すと止まらない、まるでドミノ倒しみたいだ。見学に行ってしまったら審査書類の提出までしてしまった。遠かった同棲は一瞬で目の前まで近づいていた。


あとは審査待ち。ゲイの同棲。フリーターと学生兼契約教師。

これで受かるのか、審査結果が来るまで眠れない日々が……。


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