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20代最後のゲイのエッセイ  作者: 湊 俊介


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エレキギターを二回、アコースティックギターを一回、電子ドラムを一回挫折した僕が、ピアノを始めました。

29歳ゲイがピアノを始めました。


ピアノを始めました。過去にエレキギターを二回、アコースティックギターを一回、電子ドラムを一回挫折した僕が、ピアノを始めました。


そしてそれは、継続して生活の一部に溶けませることができた。



始めたと言ってもすでに3か月ほど経っていて三日坊主にならずにちゃんと続いています。「ド」の位置すら分からなかった時に比べたらなかなかの上達具合だと思う。


始めたきっかけは夏に借りたコテージにピアノがあって、パートナーに教えてもらいながら弾いたことだった。パートナーがピアノを弾く人だからと言うこともあるけれど、簡単な曲だけど弾けたっていうことが楽しくて、その日からしばらくはピアノのことが頭から離れずに過ごした。


小さいころに何かをやりたいなんて衝動に駆られた記憶はないから、小さい子が自発的に習い事をしたいと親に言うときの気持ちはこんな感じなのだとわかった。とにかくやりたくて仕方がない。楽しく自在にピアノを弾きたい。ただシンプルな気持ちだった。

その勢いで電子ピアノを購入してしまった。


ピアノの先生が近くにいることだし始めないと勿体ない。人生で死ぬまでに楽器の一つくらい身に付けたいものだという思いもあって買わない選択はなかった。


だけど電子ピアノなんて2.3万円で買えるものだと考えていたらそう甘くはない。キーボードと電子ピアノも同じだと思っていた。脚があるかないかだけの違いかと思っていた。


僕のピアノの先生はピアノガチ勢の部類に入るから「鍵盤が軽い」と変なピアノを見ると顔をしかめる。


僕も腹をくくって、購入したのは7万円台の電子ピアノ。「CASIO PX-770」

車で持ち帰ってそのまますぐにでも弾きたかったのに後日発送でとても残念だった。そして電子ピアノを弾くならピアノ用の椅子も欲しいと、店員さんに勧められたのは3万円もする椅子だった。


流石に予算が厳しいとその場で椅子は断念してリサイクルショップを見てみると、なんと売っているではないか。生地は確かにボロボロなところもあるけれど高さの調整もできるしなんと2000円。生地は上に布でもかければいいしとすぐに購入して、後日僕のピアノ生活が始まった。


教本をプレゼントすると、パートナーが買ってくれた一冊は「メトードローズ・ピアノ教則本」

それを急に開いても分からないから、五線譜のことから調べて音階を読めるようになって、指が少しずつ動くようになって、短い曲なら弾けるようになって……。


成果が出てくるのが目に見える「小さな達成」を実感することが最近なかった。そしてそれはモチベーションにつながって、ちゃんと習慣をつけて、ピアノが生活の一部に入り込んだ。


継続すれば結果につながる。小さなことでも何か一つ身の回りに置いておけると生活がより豊かになると感じたピアノのある生活。


ピアノと僕の歯車が噛み合ったのがわかる。今までのギターやドラムとは違う。


目標はストリートピアノで演奏。


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