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#8



 「最近、暴言を聞かなくなったね。」

 「随分減りましたよね。」


 「おい、白咲」

 「は、はい。」

 「悪かったな。なにも悪くないのに、色々言っちまって。」

 「いえ、我が党に問題があることは自明で、直さなきゃいけないと私も思います。」

 「別のやつから聞いたんだけど、沢渡先生が推してる、土下座までしたって聞いたぞ。」

 「そうですね。びっくりしました。」

 

 もうそんな広まっているのか。俺に見切りをつけた人間と関わりのある人が教えてくれたのだろう。

 影響力の強さたるや。

 

 「俺たちだって別にジミンがすべて悪いなんて思ってない。はずだったんだ。でも、どうしても許せなくて、すまなかった。」

 「いえいえ、みなさんが謝ることではありませんし。」

 「これは自分への戒めさ。お前さんならそういうと思ったしな。それに、」

 「それに?」

 「日労のヤツ、刈田郡(こっち)にゃ顔すらださねぇ。完全に舐めてやがる。

 前々から腹が立ってたんだ。」

 「たはは」


 最近じゃ別の選挙区の応援にも行ってるらしいし、俺から見ても眼中にないんだろうなって気はする。

 流石に舐めすぎだろって、でもそれくらい差は開いてるからな。


 「なんにせよ、頑張れよ。まだまだジミンを信用してないやつのが多いだろうがよ。」

 「はい、ありがとうございます。」



 「とんでもないな、沢渡先生は。」

 「ああ、一人で空気を変えてしまうんだから、そう言えば和義さんは?」

 「一応県議ですから。常に応援できるわけじゃありません。」

 「そりゃそうだなわ。だったらお預けか、あの人は。」

 「ん?」

 「今晩、君に会いたいって言う社長がいてね。」

 「んん?」

 「どうせ演説が終われば寝るだけなんだから一緒に食事に行ってきなさい。」



 という、なぞの押しで来たのだが。


 「初めまして、吉田建設をの社長しております、吉田久裕(ひさひろ)と申します。」

 「初めまして、白咲義隆です。」


 やっば、先に挨拶させてしまった、どうしよう。怒らせてないかな。

 震えが脳にまで来てますやん。


 「君、沢渡先生に可愛がられているんだってね。」

 「あ、はい。」


 チャットカイワシタダカダケド。


 「私も先生にお世話になったことがあってね、先生が国交相時代に〜」


 そこからは、沢渡先生どどんな仕事を一緒にしたとか、食事に連れて行ってもらったなど、どれだけ感謝しているかを教えられた。


 俺は「そうなんですか!!」「二人ともすごいなぁ!!」「私もお二人のような関係を築けるような人と巡り会いたいです!!」とあまたの後輩フレーズで乗り切った。


 「今日はありがとう。楽しかったよ。また飲みに行こう。」

 「いえいえこちらこそ。おいしいお食事をありがとうございます。」

 


 「よしたか君、すごいね。」

 「どうかしましたかね。」

 「ボランティアの要請が爆増している。主にゼネコン関係。昨日の今日でこれだ。沢渡先生はとんでもない男だぜ。」 


 マジか。人が人を呼び、ついには別の組織にまで及ぶのか。


 「あんまり政治活動をわかってなかったっぽくてね、2000万くらい献金しようとしていたけど丁重に断っておいたよ。ちゃんと説明してね。」

 「に、に、に、にに2000万!!??」

 

 そんな額を昨日の今日で動かすの!?


 「しかも、それが昨日の吉田社長だけじゃなくて、いろんな建設業界の人が来て、大変だったんだから。」

 「おぼぼぼぼぼぼ」

 「あー、よしたか君があまりの非現実さに泡を吹いて気絶し始めた!!!」


 こんなの、国民感情怒り心頭するに決まってんだろ、、、。

 政治の世界、こえーー!!

 

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