#13
〜「速報です。現在出口調査の結果が、〜」〜
いち早く当確が出ていたのは元内閣総理大臣の身雲将臣だった。
得票率は驚異の73.4%。
この状況で誰よりも早く当確がでるのが自由民衆党からというのは、やはり選挙の強さが長期政権の秘訣なのだろう。
続いて現総裁総理の司徹や野党第一党党首の住山仁。
多くの大物が当確を出していった。
中には沢渡先生もおり長年の地盤は簡単には崩れないということだろう。
しかし、風で左右される議員がほとんど。
全国のあらゆる選挙区で日労優勢である。
かくゆう俺の選挙区はというと、意外に出口調査の結果は接戦。
正直驚いている。地道に努力した甲斐があったというものだ。
事務所で結果を見守る仲間たちは、速報前はお通夜モードであったが、以外にも競っており、スタッフ一人一人の目に光が戻り始めていた。
続々と選挙結果が出ていく。
破れていく先輩議員たちと、与党を破って議席を奪っていく新人日本労働党議員。
〜「宮城3区、激戦の末、白咲義隆さんが当選されました。北海道2区〜」〜
「おおおおおおお」
「おめでとう」
「バンザーイ」
「バンザーイ」
「バンザーイ!!!」
万歳賛称とともにたくさんのシャッターが切られる。
地元メディアが注目していた俺の選挙区、俺の当確かたかねねの当確か。
「票は白咲くんが72503票。高峰さんが68230票だったそうだよ。本当に激戦だったね。当選おめでとう。」
「ありがとうございます。」
モニターには呆然としているたかねねの姿が映し出されていた。
言葉がでないというようだろう。
「当確おめでとうございます。今の気持ちを一言でお願いします。」
これが、当選インタビューってやつか。
「本当に、感謝という言葉しかありません。投票してくださった皆様、ありがとうございました。この逆風の中、私に投票してくださった意味についても、心に深く留めておかなければならないと思っております。」
とても浮世離れした気分だ。
頭の中がふわふわしていて、なんとも不思議な感覚である。
気持ちを取り出されたような感覚。
しかし、全国でいい結果が出ているというわけではない。
〜「日本労働党が単独で233議席獲得しました。現在、日本労働党が単独で233議席獲得したことが確定しました。政権交代は確実。政権交代は確実です。」
最終的な選挙結果である。
政党名:議席数(増減)/小選挙区・比例区→支持率
自由民衆党:97議席(-153)/67・30→20.0%
日本労働党:241議席(+105)/181・60→12.0%
改革新党:37議席(+8)/24・13→4.0%
経済労働党:25議席(+5)/13・12→7.5%
日本人民党:6議席(-2)/1・5→2.0%
経済革命党:11議席(+4)/3・8→1.5%
愛国党:3議席(+1)/2・1→1.0%
科学の党:3議席(+1)/2・1→0.7%
友愛党:1議席(±0)/1・0→0.1%
民政党:21議席(+21)/14・7→4.0%
無所属:6議席(-6議席)/6→34.0%(無党派)