表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/13

#10



 「なんかやばいことご起きてないか?」

 「たかねねさんの音声が流出したらしくて、ネットで大炎上中なんだよ。」


〜「こちらが、高峰氏と秘書とのやりとりとみられる音声データになります。」〜

〜ねー、それやめろっつってんだろうがよ。あー無能すぎガチできもいわー。〜

〜は? お前私にすっぴんのまま歩けって言いたいの?〜

〜すみません、〜

〜すみません、って土下座しろや。ガチで時間も組めないとか何ができんだよお前。ないわー〜


〜「中には別の候補者に絡みに行く様子も撮影されていました。」〜


 提供映像、その中には今日のお昼のやりとりが地上波で流されていた。

 インターネットで「たかねね」でサーチすると俺なんかが受けた誹謗中傷、罵詈雑言を凌駕する見るに耐えない惨状になっている。


~おわったなこいつ~

~たかねね、もう応援できません~

~まあ、芸能界でもやらかしてるし、こうなると思ってたよ~

~最低~


 しかし、これら以外にも擁護の声も上がっていた。


~女性が化粧の時間必要なこと、男ってわからないのかな。これだから男社会はクソなんだよね~

~たかねねキモすぎるけど、そんなことより可愛くて推せる~

~こうやって人気の人を攻撃する与党の工作に違いない~


 ネットの炎上を横目に、俺の事務所へのインタビューが殺到している。

 電話が鳴りっぱなし。

 もちろん全てたかねね絡み。普段どんな話をするのか。音声データは本当なのか。

 撮影されていた映像は本物だ。しかし、音声データは知らない。

 

 「これは、大変なことになってきましたね。」

 「たかねねから釈明は?」

 「あるにはあるけど、、、、見る?」


 、、、、。

 これは、子供の言い訳かな?

 全ては与党の攻撃だーー(棒)

 私は被害者なのだーー

 絶対に訴えてやるーー


 意訳するとこんなところか。

 すごい女ですや。この女、すごいすごいですや。

 

 書面だけでなく、配信でも釈明しており、涙まで流しながら、「可哀想でしょ」と闘ってるアピール(彼女の中では本当に闘ってる)していた。


 「思わぬ形で渦が、、、」


 その形は如実に現れた。

 俺の演説に地元メディアが訪れるようになったのだ。

 もちろん、俺の演説を流すシーンはわずか数十秒程度だった。

 大半はたかねねに関するインタビューてわ終わる。

 

 しかし、面白がっているのだろう。

 俺VSたかねねという対立構造がメディアによって生み出され、世論は大いに盛り上がった。

 

 一部宮城界隈で、俺の存在が色んな人に周知され始めた。

 

 「たかねねを泣かすなー!!!」

 「国民を泣かすなー!!!」

 「白咲死ねーーー!!!」

 「クソジミンが、しーねー!」

 「しーねー!」

 「しーねー!」

 「しーねー!」


 たかねね支持者からの攻撃が始まった。

 今まではなかったことだった。

 話を聞いてくれる人がいなかった。やっと人が集まり出したかと思うと、今度は話ができるような状態ではなくなった。

 それでも、炎天下の中、雨風の中声を届けた。


 「世間じゃ叩かれてるけど、応援してるよ。」

 「犯罪者が、」

 「おちろ!おちろ!じごくに、おちろ!!」

 「売国ジミン議員辞めろ!!」

 「……」

 「税金ドロボー!金返せー!!!」

 「いつもお疲れ様です。」

 「最近、たかねねやばいと思わね?」


〜「宮城3区、なかなか激戦になりそうですね。」〜

〜「高峰さんへの不信感が日に日に増しているようですね。」〜

〜「インターネットなどで、支持者による他党への攻撃が不信感を押し広げていると専門家は〜」〜


 最近聞いた話によると、反たかねね層が、わざわざ彼女の演説場所までいって攻撃しているらしい。

 

 結局、与党支持とか野党支持とか関係なく、攻撃する人はする。

 もしかしたら、俺を応援してくれている人の中にも、別の人を攻撃している人がいるのかもしれない。

 そう思うと、とてもゾッとする。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ