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プロローグ

よく晴れた空の下、暖かな春の風が行き交う人々の間をすり抜ける。


新品のスーツや制服を着た新社会人、大学生に中高生。

自分より少し大きくてピカピカしたランドセルを背負う小学生。


新しい場所と出会いが待っているこの季節。


だが、そんな街の様子を物ともしない少女がいた。


彼女は外の様子を気にすることもなく、ひたすらモニターを見続けている。

モニターに映っているのはマンションやスーパー、街の至る所にあるカメラの映像。


この部屋は窓がなく、壁全体がコンクリートでできており、部屋にあるのは間接照明とファイルと難しそうな本が隙間なくきっちりと並んだ本棚に彼女が使っているデスクと椅子、モニター三台に端末。

そして、空気清浄機だ。


階段を上るとドアの向こうは普通の一軒家の内装。


いわゆるここは地下室で、彼女の仕事部屋だ。



「ん?」



彼女は何かを見つけたのか、さっきまでモニターから離れていた顔が一気に近くなった。

そしてすぐ、紙の近くにあった写真を取りモニターに近づけ、モニターと写真を見比べている。



「あっ、いた」



そう呟くと彼女は、スマホを手に取り誰かに電話を掛けた。



「もしもし?いたよ。うん。住所送る」



電話を切るとしばらくスマホを操作し、そのまま電源を落とした。


彼女は紙を持って椅子から立ち上がり、本棚の前で立ち止まった後ファイルを抜き出し、持っていた紙をそのファイルに綴じた。


"拉致被害者資料"


彼女が手にしたファイルにはそう書かれていた。

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