感染
掲載日:2025/02/08
読むことは感染することに他ならない。
文字に呑み込まれてはならぬ。
まみむめ文字禍。
文字の場。
セーブとロード。
記憶の劣化は避けられない。
そうなることはそうであらねばならぬこと。
妻を絞殺し、テクストから自他から逃れる。
どうして狂っていると分かるのだ。
己の身も定かではないのに。
何かを分かる術など持たない我々に。
何かが分かることなどありえるのだろうか。
身の丈に合わぬ剣をブンブンと振り回せば
やがてその重さに耐えきれず
手を滑らせ地に落とす。
剣は即座に呪いとなり代わり
自身の剣に首を刈られるまで続くだろう。
役不足の貧弱な杖では軽さ故に手に付かず
すっぽ抜けてどこか飛んでいく
薬は毒に、毒は薬に
歪みは徐々に杖を蝕み連鎖して
空虚な憎しみに身を焦がすことになるだろう。
文字とはなぞりなぞられ紡ぎ紡がれるもの。
開かれた扉には何重もの封を
文字の場は歪む。
閉ざされた扉には三顧の礼を
鉄の枷、歴史の一角、それらはずっと続く。
読書について
(アルトゥル・ショーペンハウアー)
「閉じた本まで開いた本として読んでいる。本の不在も開いた本として読んでいる」
(ルイ・アルチュセール、フランカへの手紙、1964年2月2日、77頁)




