表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

(1)

六月の、日曜の昼下がり。自宅の自室でパソコンに向かう三保谷実保の表情は、その日はじめての甘味を口にした時くらい緩んでいた。なぜなら、好きな人のことを考えていたから。


うん、今回のはいいかんじ。


パソコンに表示された無数の文字。好きな人がモデルの小説を不定期でネットの小説投稿サイトに投稿するのが、私のささやかな趣味だった。

私の好きな人というのは、高校のクラスメイトで親友の朝稲雛子という女子だ。好きになるのは人間性なので性別はあまり気にしていないというだけだが、あえて分類するのならばバイにあたる。


私の小説に深みなどはない。ななちゃんのどこが可愛いとか、ここが好きだとか、そういうことしたいだとか、ただの手に余る感情のはけ口だからだ。投稿頻度もまちまちだし、すごくゆるい感じでやっている。とはいえ、物語の構成はちゃんとこだわっているし、読書は好きなので文章力にもそこそこ自信がある。たまに気まぐれで昔書いたものを読みかえしてみても、なかなか読み応えのあるものになっているのではないかと思う。実際、この「ななちゃんシリーズ」の読者はまあまあいる。三日前にサイトの作品詳細欄を確認したときには三百くらいブックマークがあったと思う。


まだ日曜の十四時だなんて絶望的だ。それは、明日が月曜日で、つまりななちゃんに会える日で、つまり幸せだからだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ