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ロマンチストと、消えた世界の30度。

『過去があるから今がある』とは聞こえがいいけど、ときにそれは目隠しとなり足枷となり、今を生きる者たちの必死の歩みを妨げる。そうなる運命だったなんて理不尽を受け入れられるはずがない。
 もし運命があるのだとすれば、それは、彼ら彼女らが私に出逢ったことだろう。
 私は運命を証明したい。彼らは過去を忘れたい。お互いの利害は一致している。

「辛いのならばその記憶、忘れてしまいませんか」
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