表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/241

80話 相談

 私はフレッドからも秋祭りに誘われてしまった。

 先約のアリシアさんのために、ここは断らないといけない。


「どうです? 気分転換になると思いませんか?」


「ごめんなさいね。実は、そもそも悩んでいたのは秋祭りのことなのよ」


「……はい?」


「だから、秋祭りに誰と行くかで迷っていたのよ。ほら、三通もの手紙をいただいてしまってねぇ……」


「…………」


 フレッドは口をポカンと開けていた。


「こ、これは……。エドワード殿下、カインさん、それにオスカーさんですか。しかも、それぞれ家紋の入った正式な書式で……。なるほど、これが俗に言うモテ期というものですね」


「え? 違うわよ? モテてるんじゃないわ。秋祭りに誘われているだけだし……」


「それはモテているのと同じです!!」


 フレッドは興奮気味に叫んだ。


「家紋付きの手紙で誘われていることの意味を、姉上も分かっておられるはずでしょう? つまり、婚約者として選ばれたいということですよ! 姉上も、それで悩まれていたのではありませんか? 」


「…………」


 私は黙り込んでしまった。

 この手紙を受けて、誰か一人を選ぶ。

 それは、表面的には秋祭りのパートナーを選ぶだけの話だけど、ゆくゆくは大きな意味を持ってくるだろう。

 私は、その選択を誤るわけにはいかないのだ。


「そ、そうよね……。うん、分かったわ。やっぱり慎重に考えないとね。じゃあ、今日のところは帰りなさい。また改めて相談させてもらうから。フレッドも忙しいでしょ? 私なんかに構っていないで自分の用事を済ませてきなさい!」


 私は、弟を追い返そうとした。

 こういうデリケートな悩みは一人で考えるべきだろう。

 だが、彼は首を横に振る。


「いえ、今日は休みなので問題ありませんよ。それよりも、せっかくこうして居合わせたのですから、もっと話を聞かせてください! 僕だって、姉上の力になりたいんですよ。同じアディントン侯爵家ではありませんか。遠慮せずに何でも言ってください!」


「……」


 確かに、私とフレッドはアディントン侯爵家の姉弟だ。

 姉弟は力を合わせるべきという綺麗事だけでなく、侯爵家の方針を決める上でも彼の意見は参考になる。

 もちろん、お父様には相談の手紙を別途出してはいるけれど……。

 果たして、秋祭りまでにお父様からの助言の手紙が届くかどうか。


「……本当にいいの?」


「はい!」


「でも、相談したところで……。あっ! いいことを思いついたわ!」


「姉上?」


 私は名案を思い付いた。

 フレッドに話してみることにしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ