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72話 またイザベラか……

 魔獣討伐の功績をアリシアさんとオスカーに押し付けようとしたけど、逆に私の功績を主張されてしまった。

 とんだ誤算だ。


「やっぱりイザベラ様はすごいぜ!」


「さすがだ! 俺たちとは格が違うよ」


「オスカー様の氷魔法にご助言されていたなんて……。素晴らしいですわ」


「アリシアさんが急速に成績を伸ばしている裏に、イザベラさんの気遣いがあったのね。納得だわ」


 生徒達が次々と私を褒め称える。

 私は内心の動揺を隠しつつ、無表情でそれを聞いていた。

 何とかまた手柄を押し付けられないか考えるが、これはもう無理そうだ。

 私が諦めた時だった。


「お前達、何を騒いでいる!」


 大声が聞こえてきた。

 そちらに目を向けると、そこには金髪碧眼の男がいた。

 この国の王子であるエドワード殿下だ。

 隣にはカインもいる。


「あ、エドワード王子様だ……」


「殿下も私たちの話を聞かれていたのかしら……」


「カイン様、相変わらず男らしくて素敵ですわ」


「しかし何故ここに? 今日の実地訓練は俺達二年生が対象だ。三年生のお二人は無関係のはずだが……」


 生徒達が呟く。

 どうやら、エドワード殿下とカインの登場によって場は収まりそうな雰囲気になった。


「この森で大型の魔獣が出たという情報が入った。実地訓練を中止し、早急に……」


「おいエド、あれ……」


「ん?」


 エドワード殿下の言葉の途中で、カインが何かに気づいたようだ。

 二人がこちらに視線を向ける。


「「な、何じゃこりゃあぁ!!」」


 二人は揃って叫んだ。

 その下りは、もうやったよ。

 一般生徒よりも遥かに強いエドワード殿下とカインだが、さすがにこのサイズの魔獣は初めて見たらしい。


「でかいぞ、こいつは一体!?」


「ああ、大きいな……。それにこの魔力量、ただ事じゃないぞ。どうやって討伐したんだ?」


 二人が言うように、目の前にいる魔獣はかなり大きい。

 彼らは、一般生徒達の方に視線を向ける。

 一般生徒達は首を横に振ったかと思うと、私の方に視線を向けた。


「「…………」」


 エドワード殿下とカインが私の方を見る。

 私はせめてもの抵抗として首を横に振り、アリシアさんとオスカーの方を見た。

 しかし、二人とも顔を逸らす。


「またイザベラか……。相変わらず、お前は規格外だな」


「俺も頑張ってきたけどよ。イザベラ嬢には負けるぜ。イザベラ嬢は本当に人間なのか?」


 二人は疑うこともなくそう言う。

 まぁ、二人には私の強さの一端を見せてしまっているからね。


「……」


 私は無言でそっぽを向いたのだった。

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