第八話 邂逅
(仕事前の投稿なので)初投稿です。
みなさん、こんにちは!
名無しの権兵衛こと、私です!
なーんて。昔を懐かしみながら挨拶をしてみたけれど、そう。
私には名前がない!
まぁ、必要なかったからね。
でも、そんなこと言ってられない状態になったんだよね。
私たちの村に、遂に人が来たんだ。
って言っても見つけるのがもうちょっと遅かったら危なかったんだけど。
あ、今は大丈夫だよ?
猫さんがなんかの薬を振り掛けたら一瞬で怪我が治ってたし。
とりあえずは安心して、その人のことを見てみる。
・・・まあ、よく見なくても最初から見えてたけどさ、すっごい美人で、黒い羽根をもった女の人。
起きるまで待とうか。
なんて待ってたらみんながすごい寄ってきて、あっという間に動けなくなった私。
心配してくれてるのは分かったからなすがままだけどね。
「ん、ここは・・・」
どうやら起きたみたい。
でも直ぐにまた気を失っちゃった。
・・・あ、そりゃそうだ。
最近慣れちゃってたからあれだけど、みんないたらそうなるよね。
仕方ないから一旦彼女を連れて私の家に向かうことになりました。
まぁ私の力じゃ運べないからね、熊さんにお願いしたけども。
それにしても。
・・・日本語喋ってたなぁ。
私はイズリアクナス国の住民だった。
国のためにとても沢山のことをしてきた。
ある時は避難民を守る為に敵兵の前に出て彼らを逃がしたり。
またある時は魔物が大群で向かってきた時に、それを食い止めたり。
とにかく、私は私なりに貢献してきた。
出来ていた、そう思ってさえいる。
しかし当然、それだけ魔を有する可能性が高いことを続けていれば、いずれ堕天してしまうことも知っていた。
けれど、それだけ貢献していたのだ、意識さえ保てれば問題などない。
あるいはその力で守り手に任じてもらえるとさえ思っていた。
・・・甘い考えをしていたのだ。
「堕天者は例外なくその意志を狂わせておる。早急に討伐せねばならない。」
それから私は力を最大限利用して、この場から逃げた。
追っ手はもちろん差し向けられた。
彼らからの攻撃はあまりにも多くて、いくら他の同族より力があろうと、徐々に傷はふえていった。
それでも私は彼らを殺すことはなかった。
優しかった彼らを覚えていたから。
だから彼らが追って来れないように、人が近寄ることすら避けている魔の島へと向かった。
でもそこまで飛んだあと、力尽きて落下してしまった。
・・・助けてもらえるなんて思ってなかったけれど。
目の前に出逢えば死ぬしかないと言われている魔物があんなに居るなんて流石に想定してるわけない。
ましてやそれが村を形成してるなんて、誰が予想するの・・・?
でも、この出会いは私にとってとてもいいものだったと、後にとても思った。
・・・今は恐怖と困惑しかないってば!
どーん!
というわけで遂に主人公以外の人登場!
とばしまくってやったぜぇ・・・!