空飛ぶ青い飴玉と強靭な肉体の赤い飴玉。
___ある時、真っ黒のスーツ姿でグラサンをかけた?
まるで、映画に出てきそうな男の人に僕は声をかけられたんだ!
『___おい、そこのキミ! お兄さんがキミにイイ話を教えて
あげるから、俺に着いてこないか?』
『___えぇ!? 見るからに、“怪しいおじさん”だね!』
『___俺は、おじさんじゃない! まだ20代前半なんだぞ!』
『それだったら? “老けてんじゃないの?” あんまり顔とか見えない
のに! 老け顔に見えるよ~!』
『・・・まあ、いい! 俺について来るのか? 来ないのか? どうなんだ?』
『あんまりさ~おじさんを信じた訳じゃないよ~何処に連れて行かれる
のか? 分からないのに着いて行く子供なんかいるの?』
『___キミは、ヒーローになりたくないのか?』
『“ヒーロー”になれるの?』
『___キミ次第だよ!』
『___おじさんに、着いて行くよ!』
『よし! では、俺に着いて来ーい!』
『___うん!』
*
___こんな感じで、まんまと僕はおじさんに着いて行ったんだ。
『___ねえ、おじさん? まだなの?』
『もう直ぐだ! 疲れたか? 自動販売機で何か飲むか? おじさんが
奢ってやるよ!』
『わーい! 本当にいいの? 僕、メロンソーダ&コーラ味がイイよ!』
『じゃあ! 俺はコーヒー&紅茶味にしよう!』
【ガチャン・ゴロゴロ】
___僕とおじさんは並んで座って二人で一服。
『___はあ~疲れた!』
『___だな! だが、少し一服したら、歩くぞ!』
『ええーーーーえええ!? まだ、歩くの?』
『あぁ! もう少しだけ歩く! 頑張れ少年!』
『・・・ううん。』
*
___おじさんとゆっくり飲み物を飲んだら、また一緒に歩きだしたんだよ!
・・・そうしたら?
おじさんが、僕にこう言ったんだ!
『___よし! キミは【合格】だ!』
『___えぇ!? なにが?』
『___キミは今日から、“ヒーロー”になれるぞ!』
『・・・だから? どういう事なの?』
『これを! キミにあげるよ。』
『___これは? 飴玉じゃない? しかも、青と赤?』
『___これはな! 凄い飴玉なんだよ! 青い飴玉は空を飛べる飴玉!
赤い飴玉は、強靭な肉体になる飴玉だよ! どうだ! 凄いだろう!』
『___うん! 凄いよーーーー! おじさん!!!』
『だから! 俺は、おじさんではない!』
『・・・でも? この飴玉、いつ使うのさ~おじさん!』
『うっ!? また、おじさんて、まあいいか! その飴玉を舐めると一瞬で
大人の男性になり、尚且つ空を飛べたり強靭な肉体になるんだよ! だから
まさかそれが!? キミだとは誰も思わないさ~!』
『・・・・・・本当に、僕でいいの?』
『___いいに決まってるだろう! 俺がキミを合格だと認めたんだぞ!』
『・・・でもさ?』
『___キミは、本当にヒーローになりたいくないのか?』
『そりゃ~なりたいよ! でも、、、。』
『___大丈夫! 俺が認めたんだから! キミなら出来る!!!』
『___うん!』
___こうして、僕はヒーローになったんだよ!
・・・僕が飴玉をなめる時は、、、?
事件が起きた時だ! おじさんから連絡が入って僕がその現場に行って
事件を解決するんだよ!
『___おい? 少年! ○○で事件が起きている! 直ぐに向かってくれ!』
『・・・ごめん、おじさん! 僕、宿題がまだ残ってるんだ! やらないと
ママにまた怒られるよ!』
『___大丈夫だ! キミのコピーを用意している! そのコピーに宿題を
させておけばいい!』
『___あぁ、ううん! じゃあ、行ってくるよ!』
『___あぁ!』
*
___僕は、青い飴玉を口に入れた!
そして、予め用意しておいたマントを纏って! 宙に浮く。
【よし! 行くか!】
___あっという間に、現場に到着!
事件現場に、証拠のモノが残っている! 僕はその犯人の手がかりを
追ってその場所に、次は強靭な肉体になる赤い飴玉を、、、!
___そこでは、大勢の男達が喧嘩をしていたんだよ!
僕は、あっという間に喧嘩をしていた男達を蹴散らし!
犯人を捕まえて、警察にその男を突き出した!
『___スミマセン! この男が○○で起きた時の犯人です!』
『___えぇ!? あぁ、どうも! ご苦労様です!』
『・・・い、いや? では、僕はここで!』
【トォーーーーーーーーーーーー!!!】
青い飴玉を、サッと口の中に入れて空高く飛び去ったんだ!
*
___僕は、ヒーローへの道を極めていっているんだよ!
あのおじさんの協力でね!
ヒーローになる事を、ずっと憧れていた僕が実際にヒーローになってみて。
僕が思っていたのとは、ちょっと違うようだけど、、、。
・・・現実は?
目を背けたい事や僕に対してのバッシングもあるよ。
いい事をしているからといって! 絶対にみんなに褒められる訳じゃない!!!
___だけど? 僕がヒーローをやめないのは?
多くの人が、困っているからだ!
助けを求めている!
だから、今日も! 僕は困っている人のところに行くんだよ。
『___おばあちゃん! もう直ぐ信号が変わるよ! 僕が横断歩道の向こう
に行くお手伝いをしてもいいかな?』
『___えぇ! お願い、ヒーローさん!』
『よし! 行くよ~!』
最後までお読みいただきありがとうございます。