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騎士になりたかった魔法使い  作者: K・t
第八部 騎士見習い編―後半
124/193

おまけ・第八部完結記念座談会

王城・騎士寮食堂にて。

ヤルン=ヤ/キーマ=キ/ココ=コ でお送りします。

今回はちょっと真面目なお話? いえ、気のせいです。ラブコメ展開? それも気のせいです。

ヤ)お疲れー

コ)お疲れ様です

キ)婚約おめで――痛っ!

ヤ)殴るぞ

キ)もう殴ってる! お祝いしてるのに、何が気にいらないのさ

ヤ)お前なぁ……! なぁココ、もう一度考え直せよ

コ)何をですか?

ヤ)こ、婚約だよ、婚約。どう考えても変だろ?

コ)どこも、おかしなところはないと思いますけど……?

ヤ)おかしいところだらけだっつの!

  恋人同士ですらないのに、いきなり婚約なんて!

コ)うーん。貴族は、顔も見たことのないお相手と結婚することも

  多いですし

キ)あー、それに比べたら普通かもね?

ヤ)そこと比較してどーすんだよ。

  だったら相手はキーマだって構わないってことだろ?

キ)自分? んー、じゃあココ、うちにお嫁さんに来る?

  そうすれば、これまで通り王都にいられるし、訓練も受けられるよ

コ)……すみません

キ)あれ、嫌われちゃった?

コ)ち、違います! そうではなくて、セクティア様に言われたんです。

  お相手は、いざという時に私を抑えられる人じゃないと、

  自分も周りも困るだろうって

キ)あ~、それは確かに。ココも魔力が上がってたと思うけど、

  それを抑えられる相手って言ったら

コ)王都の魔導師の中では、師匠せんせいとヤルンさんだけです

キ)本当に、最初から選択肢がないんだねぇ

ヤ)何言ってんだよ。王都にはいないってだけだ。

  国中探せば何人かはいるだろ?

キ)ココの希望は、強い魔力を持っていて、王都で仕事を続けられて、

  なおかつオルティリト師の訓練を受けることが許される相手だよ。

  ヤルンだって分かってるくせに

コ)あの、やっぱり私のことがお嫌いですか?

ヤ)うっ。そうじゃない、そうじゃなくてだな

キ)まぁ、友達が急に婚約者になったら戸惑うかもね。

  なら、ココが頑張るしかないんじゃない?

ヤ)おい、また妙なことを吹き込むつもりじゃないだろうな

コ)頑張るって、何をすればいいんでしょう?

キ)そりゃあ……ヤルンを誘惑するとか?

コ)ゆ、誘惑……!

ヤ)ばっ、馬鹿! 何ふざけたこと言って……!

キ)まずは、二人の距離を縮めることから始めないとね~

コ)なるほど。やってみます!(じりじり)

ヤ)こらっ、ココもマジに受け取んなって!(じりじり)

キ)それじゃただの組手だよ。あとは、そうだなぁ。

  ココのご両親は納得してくれたの?

コ)あ、はい。セクティア様がお口()え下さって

キ)これ以上ないバックアップだね。ヤルンは? 実家には伝えたの?

ヤ)そりゃ、一応は知らせたけど……。返事が速達で届いてだな、

 「貴族のご令嬢との婚約なんて、そんな(おそ)れ多いことを許すわけ

  にはいかない」ってさ

コ)ええっ!?

ヤ)何を驚いてんだか。当たり前だろ、ウチはただの商家なんだから

コ)そんな……

ヤ)な? だから、この話はおしまいだ

コ)分かりました

ヤ)おぅ、分かってくれたか。って、なんで俺の手を握るんだよ!?

コ)今すぐヤルンさんのご実家に(うかが)って、誠心誠意、お話します!

ヤ)はぁっ!?

コ)ちゃんと、「私に息子さんを下さい」ってお願いしますから!

ヤ)待て待て! なんでそーなるんだよっ。キーマもなんとか言え!

キ)あはははははは

ヤ)って爆笑!? 人の人生をなんだと思ってんだ!

キ)……はぁはぁ。き、急に押し掛けるのは逆効果だと思うよ。

  まずは手紙でもしたためたら?

コ)そ、そうですか? 確かに、ご迷惑かもしれませんよね

ヤ)はー、助かった。とんだ里帰りになるところだったぜ。

  だいたい、まだ俺達だけでスウェルまで飛ぶのは無理だって。

  全然違うところに出たらどーすんだ

コ)そうですね……。それではご実家へのご挨拶を目標に、

  訓練をもっと頑張ります!

ヤ)……

キ)ココ、自分が頑張るのも大事かもしれないけど、ヤルンも放って

  おかない方が良いよ

コ)どういう意味ですか?

キ)他の誰かに取られる可能性があるってこと

ヤ)あぁ? 嫌味かよ。俺はお前と違って、女子にモテたことなんか

  ねぇっての。わざわざ言わせるな

キ)これまではね。今は立場や肩書もあるし、周りの目も変わってくると

  思うよ?

ヤ)適当なことばっかり言いがやって

キ)本人はこう言ってるけど、ココもそう思う?

コ)そんなのダメです。困ります!

ヤ)だから本気にするなってば! キーマも、ココを(あお)るのやめろ!

キ)えー? こっちは事実を述べてるだけだし

コ)うーん、ヤルンさんをずっと結界で覆っておく……

ヤ)!?

コ)わけにもいきませんし

ヤ)ほっ

コ)とにかく、一刻の猶予(ゆうよ)もないってことですよね。

  私、その問題を解決出来そうな魔術を、王立図書館で探してみます。

  師匠せんせいも何かご存じかもしれませんし

ヤ)うぇっ!?

キ)良い解決法が見つかるといいねぇ

コ)はい!

ヤ)あーもうどこからツッコんで良いのか、分からん!!

書いている自分も良く分からなくなってきました(苦笑)。

ヤルンが酷い発言をしていると感じるかもしれませんが、本当に酷いのはココの方……。


さて、ドタバタした第八部も次回の「人物紹介&用語集 その3」で終了です。

第九部は、これまたずっと放置してきた師匠の話をと考えています。

それではひとまず、ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] ヤルンの実家にとっては難しい問題ですね。 近くの領土の貴族達からの心証を悪くしないようにするために婚約を許さないままでいるか、貴族令嬢の命と尊厳と王族からの怒りを買わないように婚約を許可する…
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