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騎士になりたかった魔法使い  作者: K・t
第一部 見習い編
12/193

おまけ・第一部完結記念座談会

スウェル城・某一室にて。

ヤルン=ヤ/キーマ=キ/ココ=コ でお送りします。

ノリしかありません。ご了承の上、お読みください。

ヤ)んじゃ、お疲れー!

キ)お疲れー

コ)お疲れ様でしたー

(お茶のカップをコツコツと触れ合わせる音が響く)

ヤ)(ごくごく)美味いけど、見習いの身分じゃ、これが精いっぱいかぁ

キ)仕方ないね。でも、お茶受けは美味しそうだよ?

コ)スコーンを焼いてみたので、お二人に是非食べて頂きたくて

ヤ)(ぱくり)おう、美味い。ココ、料理上達したよな

コ)本当ですか? 嬉しいです……!

キ)さすが努力の鬼。その情熱で鍋を溶かした時はビックリしたけど

ヤ)あぁ、あったあった。厨房が大惨事になってたっけ

コ)うぅ、そのことは忘れて下さい~

キ)はは。まぁ、それだけこの生活にも慣れたってことかな

ヤ)最初はドタバタしっ放しだったもんな

キ)特にヤルンがね

ヤ)し、仕方ないだろっ。

  まさか魔導士にされちまうとは思わなかったんだから

キ)まだ剣士に転向したいとか思ってるわけ?

ヤ)当たり前だ! 後方支援なんか、俺には似合わないっての

コ)折角(せっかく)才能があるのですし、勿体(もったい)ないのではありませんか?

ヤ)そりゃ、もう魔術を捨てちまおうとは思わないけど、

  夢を捨てるつもりもないってこと

キ)オルティリト師の目の黒いうちは現状維持だろうね

ヤ)うっ。今日はいないよな?(キョロキョロ)

コ)ふふ、いらっしゃいませんよ

ヤ)あのじいさん、どこで見てるか分かったもんじゃないんだよ

コ)それは……否定出来ないですね

キ)そんなに心配なら、最初から招待すれば良いのに

ヤ)茶がまずくなる!

キ)言うね……

ヤ)お前だって師範(剣の先生)を呼びたいとは思わないだろ?

キ)あぁ、うーん(目を逸らす)

コ)まぁまぁ。今日は楽しくお茶しましょう、ね?

ヤ)そ、そうだな

キ)あ、じゃあ普段疑問に思ってることを聞いて良い?

コ)なんでしょう?

キ)魔導書って、大きさは自由自在?

ヤ)これか?(取り出す)魔導書は魔力を良く通すんだよ。

  だからある程度は大きくしたり、小さくしたり出来るんだ

コ)術者の能力にも()りますよね

キ)へぇ。じゃあ、形を別の物に変えてしまうことは出来る?

ヤ)俺らにはまだ無理だな。師匠なら出来そうだけど

コ)……あ、他の物に見せかける術なら、多少は使えますよ

キ)幻ってこと?

ヤ)おう。たとえば……ほいっと

キ)うわっ、本が花瓶に!? あれ、でも触ると本……?

ヤ)そりゃ、見た目を変えただけだからな(元に戻してしまう)

  実力のある魔導士にはバレるレベルだろうなぁ

キ)元の形が見えるってこと?

コ)普通は術の気配が分かる程度だと思いますよ

  師匠せんせいには見抜かれるかもしれませんね

ヤ)魔力の気配さえ掴めれば、解呪すりゃ良い。

  そこまでの眼力は要らねぇよ

キ)成程。じゃあ今の術を使えば、人間を別人に見せたりするのも可能?

コ)短い時間、姿を変えるだけなら可能だと思います

ヤ)もっと熟練度を上げないと、動いたり話したりしたらバレるぞ

  それに持続させるのもキツいだろうな

キ)へ~、色々と制約があるんだね

コ)キーマさんは、何かに変わってみたいのですか?

キ)ん~? 肝試しとかに使えそうじゃない? 薄暗ければバレにくそうだし

ヤ)確かに面白そうだな……って、だから魔力の痕跡が残るって言ってるだろ

コ)魔導士の方がいると怖さが半減してしまいますね

キ)じゃあ、二人で入れ替わってみるのは?

ヤ)変なフラグ立てんな! この話は終わりっ!

キ)えー

コ)あ、あの、それでは私も是非ヤルンさんにお聞きしたいことが

ヤ)へ? ココが俺に? 珍しいな。俺よりよっぽど物知りだろうに

コ)そんなことありません。教えて欲しいんです(ずいっ)

ヤ)ちょっ、答えるから、そんなに近寄らないでくれっ

キ)おお、ココってば大胆~

コ)えっ? あっ、すみません!

ヤ)……で、何を聞きたいんだ?

コ)オルティリト師匠せんせいと、毎晩どのような特訓をしているのですか?

キ)あぁ、それ聞きたいなぁ。ヤルン、教えてくれないよね

ヤ)それは……精神集中だよ

キ)それじゃ答えになってないなぁ。もっと具体的にお願いしまーす!

ヤ)いや、あんま、ベラベラ喋るなって言われてるからさ

コ)そんな、口に出来ないような特訓を!?

ヤ)え? 待て待て、何か誤解してないか?

キ)うわー、ヤルンてば……まだ12歳なのに……

ヤ)だから誤解を助長するような表現はやめろって!

コ)うう、うぅ

キ)あーあ、泣かせたー

ヤ)はぁ!? 俺のせいかよ! ……ん?

コ)う、(うらや)ましいっ! 私も秘密特訓を受けたいです~!(がくがく)

ヤ)うわ、ゆす、揺するなって! この光景、なんかデジャヴー?

キ)あぁ、あったねぇ。あの時も女性に掴み掛られてたっけ

  ヤルンてば経験豊富~

ヤ)誤報を畳み掛けてないで助けろよー! う、マジで気持ち悪っ……

キ)ほらココ、そろそろ止めないとヤルンが死んじゃうよ?

コ)はっ。あぁっ、私ったら! すみませんすみません!

ヤ)……(ぐってり)

キ)手遅れだったみたいだね……あはは

コ)えっとえっと、治癒を! 今すぐ回復いたしますのでっ

キ)こんなの部屋に転がしとけば治るって。よいしょっと(ヤルンを担ぐ)

  悪いけど後片付け頼める?

コ)あ、はいっ。任せて下さい! すみませんでした

キ)大丈夫大丈夫。じゃあよろしく~(すたこら)

ヤ)(キーマ、グッジョブ!)

のんびり(嘘)ティータイムでした。キーマは騒ぎを放置して大きくするのが好きという困った癖がありますが、猪突猛進のヤルンより引き際を見極めるのが得意。

なお、師匠の特訓については第二部以降で触れる予定です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ・読み易く丁寧な文章 ・なのに、所々でくすりと笑える表現が入っている点 [一言] こんばんは。 とりあえずここまで読みました。 師匠とヤルン、キーマ、ココの人間関係が面白いっすね! こ…
2020/03/22 01:19 退会済み
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