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8話 実験

 多分種族、【ラスト・ノバ】というのが俺の中で最終進化になったのだろう。【ラスト・ノバ】になったと同時に特殊スキルの【進化】が消えた。

 俺が【ラスト・ノバ】として過ごし始めてから年月は浅い。レベルの上限が∞(むげん)なのに48という低レベルだという事実からも明確だ。


 スキルには俺が知っている情報では3種類ある。

 1つは個人スキルと呼ばれるものだ。これは1番一般的なスキルで、経験を積むことや、そのスキルの条件を満たすことなどで手に入れることが出来る。

 次は特殊スキルだ。これは今のところ才能としか言えない。スキルの名称も千差万別、持っている人は意外と少ない。

 最後は魔王スキル。これは名前の通り、魔王が扱う最上級のスキルだ。前にも説明したことがあったかもしれないが、スキルは術式である。魔王スキルは身体そのものを術式として見なし、魔力を流すことによって発動される。勿論のこと、全く同じ身体の人間などいない。だから、魔王スキルは確実に1人1種類なのだ。


 俺の特殊スキルは魔王と相性が悪い。その理由は魔王スキルの術式は常に変動しているからだ。当たり前だが筋肉が動くと同時に術式もそれに合わせて変化する。効果は変わらないのだが、俺の【超越同調オーバーリンク】とは相性がすこぶる悪い。


 俺の特殊スキル【超越同調オーバーリンク】はスキルの術式と同調リンクし、そのスキルのレベルをMAXまで引き上げ、さらにそのMAXまで引き上げられたレベルを+1する。

 まあ最強の特殊スキルの1つと言っていいだろう。


 ちなみにスキルの最大レベルは20だ。今のところ例外は見た事がない。



 そう言えば、騎士長はコロッセオが壊れるかもしれないほどの戦いって言ってたけど俺と獣魔王が戦っても壊れそうになかったぞ?

 まさか魔王よりも強い魔神(仮)とか出てこないだろうな?


「疲れたし寝るか」


 明日は冒険者パーティーとの手合わせがある。その時に寝不足っていうのも失礼だろう。


 ◇


「ご報告します」

「なんだ?」


 真夜中、初老の男は部屋の一角の暗闇に向かって応答した。その暗闇が徐々に人型の影になり、その人型は分離して、男の前にひざまづいた。


「監視対象Jがコロッセオにて闘技者名クロディーに敗北しました。闘技者名クロディーを監視対象Oとして追跡中です」

「そのクロディーとは何者だ?」

「不明です。本日入国し、初めてコロッセオを訪れました。入国審査は騎士長の独断でパスとなっております」

「チッ、まあよい。引き続き監視を続けろ。獣魔王との関係が無さそうであれば実験素材として血を抜き取れ」


 獣魔王から血を抜き取るのはリスクが高い。やつならば一瞬でこの国を滅ぼしかねない。そもそもやつの皮膚に針が通るのかも怪しいところだ。


「了解しました。引き続き任務を続行します」

「No.014の様子はどうだ?」

「実験資料を求め、いくつかの研究所を探しています。万が一にもNo.014に情報が漏洩する恐れはないかと」

「そっちじゃない。黒の方だ」

「申し訳ありません、黒の方は性能確認が遅れており未だに数値化できていない状況です」

「そうか、白の方は放っておけ。どうせ何も出来はしない」

「了解しました」

「もう用はない」

「では、失礼」


 そこには既に何も無かった。部屋は暗い。

 今もそこら辺の影の中にいるのかもしれないが、それはどうでも良い。仕事さえこなしていれば文句はない。


 それにしても獣魔王を倒すほどの手練とは何者だ?

 近くには龍魔王の領土の大森林があるが、まさか龍魔王では無いだろう。

 こんな国のコロッセオに魔王が何人も遊びに来るわけがない。


 まったく、実験の大詰めというところでまた厄介事か。まさか王国などに勘づかれたのではないだろうな。

 もし、そのクロディーとやらが王国の尖兵だとしたら早々に消す必要が出てくる。

 実験の結果が出ていない今、王国の騎士団や勇者に対抗できる戦力は少ない。騎士長ならば王国の戦力にも引けはとらないだろうが、彼を失うのは惜しい。


 我が国が魔王を殺し、聖杯を手に入れるための力を生み出す実験。

 それが今極秘裏に進められている『人造神霊級生命体製造実験』だ。略称、HGSM。


 これが成功すればこの国は王国を上回る戦力を生み出すことが出来るようになる。

 しかし、それはあくまで副産物。不治の病の我が娘を救うことが出来るかもしれない実験なのだ。もし、それが叶わなかったとしても聖杯があれば願いを叶えられる。

 我が娘の未来の為ならばどんな犠牲も厭わない。

 それが私が背負った罪と娘に背負わしてしまった業だ。


 「アステリ……君が見たら怒るだろうな。それでも私は君との宝物を失いたくないんだ。そっちに行ったら小言を沢山聞く覚悟は出来てるよ」


 瞼を閉じれば瞼の裏に過去の情景が広がる。

 血みどろの戦場の中で泣き崩れる無力な私。

 人間は弱さを認め、道を模索することで強くなれる。


 あと少し、私の道の終着点はもう少しだ。

 もとより許されるつもりなどない。

 それで救えるのなら、喜んでアステリの元へ旅立とう。


 その為にも厄介事は早めに除去しなければならない。

 クロディーとやら、我が娘の為に死んでくれ。



少し短くなってしまいました。次はもう少し多めに書こうと思います。

ブックマークや評価をしてくださった方ありがとうございました。とても嬉しかったです!

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