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闇の帝王の烏  作者: 海道 香魚
第三章
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烏の姉の旅

お読みいただき、ありがとうございます。



今回はアリスのお姉さん、レーマお姉様の回です



誤字脱字、本当に申し訳ないです...

私はお父様のおっしゃった通り、3日で準備をし、そのまま1人で旅...という名の調査へ繰り出されました。


烏に気付かれないように、と見た目を誤魔化せる魔術を施してもらい、町娘の衣服を身につけました。


旅のための資金を貰い、屋敷前まで呼んだ商人の馬車で、その噂の村の山の近くまで送って頂きました。


噂の村の近くと言っても、少し遠くの方に山がぽつんと見えるだけの場所でした。


「お嬢さん、わたしたちでもここまでが限界なんだ。あの山は入ったら最後、死ぬまで迷い続けるとか、時間の流れが違うとか... いい噂は聞かない。

忠告はしておくよ...。」


こんなに小さいのに、と心配をしてくれた商人の方達は少しの食料を私に渡し、悲しげに去って行きました。


「申し訳ないです...」


最後まで心配して下さった商人の方々はただの旅、家族を訪ねて旅しているとしか言っておらず、善良な方達だったと分かります。


でも、ごめんなさい、私の旅はあなた方が思っているほど、善良な旅では無いのです。

黒く渦巻く私の家族の陰謀の旅なのですから。


......


あんなに高かった日が下がり始めた頃、山は私の目の前まで来ていました。


1人で歩き続けるなんて経験は初めてですし、侍女が居ないとこんなにも不便なのかと改めて思い知らされました。


重い荷物を担ぎ、不慣れな獣道を歩き続けました。


汗はすごいし、いつもだったら、馬車で行動し、侍女がお飲み物をどうぞ、お召し物を直ちに変えさせていただきます、など世話を焼いてくれるのに...と考えてしまいます。



ふと開けた道に出たので、辺りを探すと、お父様の言っていた、目印を発見しました。


小さな緑色のリボンの巻きついた木



さてと....

ここで野宿の準備をしていれば、お父様の雇った、山賊に扮した方々に襲われる...演出をしてくれるでしょう。



お父様によれば、この山に入った人たちのうち、山賊に襲われていて、かつ、一定の日であった方たちは、助かっているというのです。


そしてその人たちは、山頂辺りに、村があった、助けてもらったと言っているらしいのです。


その方たちは、森でさまよいすぎて、きっとうわ言を言っているのでしょう…と言われ続けていました。


私も正直、こんな戯言を信じるなんて、お父様もどうかしているのかしら、と少し疑ってはいました。あくまでこれは噂にすぎないのです。



ですが、焦げ茶色の髪色をした男性が、私を襲っている...ふりをした山賊たちを一瞬にして倒したところを見た瞬間、噂は本当だったことを思い知らされました。



「...お嬢さん、見ない顔だけど、どこから来たんだい?」



お父様、私はやりました。

幻のような噂ではありましたが、どうやら村の方と.......本当に出会えたようです。



「家族が...お父さんがこの山で行方がわからなくなって...。探したくて、商人と旅をしていたんです...でも」


「山賊に襲われてしまったのか。

遠くから来たんだろう? この辺の人たちはこの森は迷うから絶対に近寄らないはずだからな...、とりあえず怪我はしていないかい?」



お父様より少し若い、熊のような体つきの男性は私の無傷な様子に驚きつつも、村へ案内してくれました。



暗い髪色ばかりの小さいけれど、必要なものは揃っていて、自給自足のできる充実した村でした。



ここなら長い期間居られるでしょうね...


わたしは1人1人に挨拶をしたい、と言って、全ての村人の顔見知りになることからはじめました。


情報が全てだと、お父様も仰っていましたし、村人たちとの小さな会話でも、小さな噂でも、何でも構いません...


手段を選んではいられませんから。

ここに私の逃がした烏はいるのでしょうか...必ずや....

☆レーマさんは頭が良いだけでなく、綺麗系な美人なので...男性だけでなく女性にも優しくしてもらえる方法をわかっています。お屋敷では侍女や家庭教師さんをメロメロにした人です。

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