カミサマのおともだち
この小説は全てひらがなでかかれています。
大変読みにくくなっているかもしれませんが、作者が意図してこうしたものです。ご理解よろしくお願いします。
あるひおんなのこはくろいつたがたくさんはえていて、はいいろのきがいっぱいはえているくろいもりにいました。
そこでおんなのこはひとり、すわっているおとこのこをみつけました。
「ねえ、そこでなにしてるの?」
おんなのこはききました。
「おとうさんとおかあさんにいわれてまってるの」
おとこのこはそういってまたどこかをみつめます。
「いままでずっとそうしてたの?」
おんなのこはおとこのこのことがきになりました。
「おとうさんにいわれたの」
おとこのこはかなしそうにしたをむきます。
「じゃあそとにいこうよ。きっとたのしいよ。みんなであそべばもっとたのしいよ」
「だめだよ。おとうさんにダメっていわれてるんだ」
「じゃあわたしがつれていってあげる」
そういっておんなのこはおとこのこのてをとり、もりのそとへとつれていきました。
おとこのこはさいしょはふあんそうにみえましたが、おんなのこといるうちにだんだんとたのしくなったようにみえました。おとこのこはともだちがほしかったのかもしれません。
おとこのことおんなのこはたくさんあそびました。ひがしずんでからもまだあそびつづけました。でももうくらくなってしまったのでおんなのこはおうちにかえらなければいけなくなってしまいました。
「ねえ、きみはかえるところはあそこなの?」
おんなのこはききます。
「ぼくにはね、かえるばしょもおうちもないんだ」
おとこのこはまたくらくおちこんだひょうじょうをします。そんなおとこのこをみておんなのこはあることをおもいつきました。
「じゃあわたしのいえにこない? きっとたのしいよ」
おんなのこはえがおでおとこのこをさそいました。
さいしょはおとこのこはすこしこまったようすでしたが、おんなのこのあかるくげんきなえがおをみてきっとほんとうのことなんだろうとかんじたようでした。
そのあと、おとこのこはおんなのこのいえでおいしいごちそうをたべました。おとこのこははじめてこんなにもおいしいものをたべた、というようなひょうじょうでごちそうをたいらげていきます。
おとこのこはそのあとおんなのことまたたくさんあそびました。たくさんあそんでふたりのこどもはねむりました。
つぎのひ、おんなのこがめをさましたときにはおとこのこはもういませんでした。いえのまわりをさがしてみても、おとこのこらしいすがたはみつかりません。
あきらめていえにかえるといちまいのメモがおいてありました。そこにはただひとことこうかいてありました。
――ありがとう。
それをみたおんなのこはないてしまいました。なまえもきいていないはじめてのおともだちがきゅうにいなくなってしまったからでしょうか。おんなのこはいちにちじゅうなきつづけました。
どうもこんにちは。うえだです。
今回は短編ですが、三つの世界ぷろじぇくとに属する作品です。なのでシリーズのほうをよんでいただけると幸いです。
次回は「内側の世界」第二話が投稿されるとおもいます。
今後ともよろしくお願いします。