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第9話

野後に吹き飛ばされ、意識を失った文目が目覚めたのは、若宮邸。

若宮邸のガードマン、式部京紫(しきべ きょうし)の制止を振り切り、若宮邸から飛び出した後、もう一人の文目、アヤが、自分が戦う夢を見ると聞き、そのシチュエーションが文目と文目で同じだと知り…

「ここって…」

「まず受付だ。」

ゼウスは淡々としている。


花屋

「...てことは?」

「似てんだよ。俺の夢と…」

………………………………………………………………………

「それじゃあ…今日は?」

「若宮グループのとこへ…」


若宮邸

「ふーん、てことはあいつはもう大丈夫なのか?」

「はい、私がそう判断しました。」

(ダメだ…取り逃がしたらと言ったら…そうだ、監視カメラ…証拠を消さねば…)


モニタールーム

「やぁ皆さんお疲れ様。差し入れを持ってきました。」

マダムシンコのマダムブリュレだった。

「さぁ、食べて下さい。きちんと人数分あります。」

警備員はマダムブリュレに群がった。

(さてと…)

京紫は録画データをあさり、文目絡みのデータを消去した。


リング

「これでよし。さぁ、行くか。」

「ちょっと…」

…ギュルァァァァ!

…ガヤァァァァ!

フロースが客席に向かって吹っ飛んできた。

客席の客は潰され、フロースは息の根を止められていた。

「危ないですよ。生きているうちに…逃げないと!」


花屋

文目は文目の話を聞いた。

「…やっぱり。何か運命なんでしょうね。」

文目(女)は急に開き直った。

「そんな全て重なっているんだったら、一緒に背負えばいいですよ。」

「…お、おう。お前。」

「あの忘れてません?お前でも高城さんとかそういうのじゃなくてアヤでいいって。」

「あ……そうだったな。それじゃあ…帰る。」

文目は家路に着いた。


アパート

(暇…だな。にしてもなんだよこの…まだ痛ぇ。京紫(アイツ)から胸とかを殴られた記憶ねぇのに。)


某ビル内

ガチャ…

社長…が、そこの社長室に入った。

「おかえりなさいませ。社長。」

部下が挨拶をした。

「うむ…しかしまた帰らなければ。まだ維持できない。せいぜい、あと一時間ほどだと思うがすぐ戻る。あそこへね。」

「それでは、そのうちに…」

「あぁ、それでは横浜まで…行きたいところがある。あの男も連れてね。運転を頼む。」

「はい。」


車内

「おそらく、霞ヶ関で佇んでいるだろう。野後実爪(のごみつま)という男を拾ってくれ。」

「はい。」


新宿

そこにあるラーメン屋に、大野と成瀬がラーメンを食べていた。

「親父!背脂多めでチャーシューも倍の追加で!」

成瀬は腹が空いていたのか、100秒ほどで一杯を食べ終わり、お代わりを注文した。

「元気ですね。成瀬さんは…」

大野は全く手をつけていなかった。

「どしたのこういう風に美味しいもの食わせようってのに…」

「…だったら、成瀬さんこれ食べてもいいですよ。」

「本当に!…てかなんも食べなくていいの?」

大野はメニューを見てラーメンの代金をテーブルに置き、帰った。

「大野君ったら…いっただっきま〜す!」


交差点

…やっぱり、自分には無理だ。こういうのは、宇多原がいれば…

ゴッツン!

「イッタイ!」

大野は額を思いっ切りぶつけた。

最初は電柱にぶつけたと思ったが…

「危ないですよ…大野か?」

電柱と間違えるくらい高い身長の宇多原だった。

「え…いつの帰国を?」

「お前には関係ない。」

「ちょっと…」

宇多原は半ば無視に近い感じでどこかに向かった。

…やっぱり、彼しかいない。陳情…だな。


貸家

ここは文目たちの住むアパートの近所。そこに宇多原が入っていった。

「立花。」

「はい!って宇多原さん!どうしてここに。」

そこには梨楽が住んでいた。のだが、お年頃の女の子が済むような感じではなく、怪しい機械や望遠鏡の箱が積まれていた。

「どうなっている?」

「え、ちょっと…」

宇多原は窓に佇んでいる望遠鏡を覗いた。

望遠鏡の位置は、文目の部屋…

見ると、文目は料理を作っていた。

今は2時だが、おそらく昼だろう。

それが以外と凝っていた。


まずはひき肉を冷蔵庫から取り出し、レンジで少し温める。

その次に量増しだろうか、小麦粉を少し混ぜ、ビニール手袋を使ってこねた。

そしてサラダ油…ではなく、オリーブオイルをフライパンに。そこにバンズを3枚。

バンズのふちの下の部分の赤身が白くなってきたら裏返す。

その間に文目は冷蔵庫からレタスとトマト、スライスチーズ、そして何かのビンを出した。

と、何かする前にバンズに十分火が通ったので火を消した。

そしてまずビンを開けた。ふちの部分が輪っかのように取れ、フタの部分が膨らんだ。真空にできるタイプだ。

そこからピクルスを出した。

それを事前に用意していたパティにピクルスをのせ、バンズの一枚目を次にのせた。

次はレタス。葉をむいて適当な大きさにする。ただそれだけで、のせた。

そしてその上にもバンズをのせ次はトマトを取ったが…バンズのとは別のフライパンで焼き始めた!


「これは…」

「え、どうしました宇多原さん?」

宇多原はようやく気付いたようだ。

飯テロを引き起こそうとしていることを…

ではなかった。

「竜胆文目、なぜ知っていた…トマトは、火を通すことで甘みが増していくということを、なぜ知っていた!」

「ちょっと何言ってるんですか!さっさと出て行ってください!」

宇多原は梨楽から追い出された。


アパート

トマトは弱火で皮がふやけてきたところが度合いだ。

そしてパティにのせ、3枚目のバンズをのせたところでスライスチーズをのせ、パティで挟んだ後長めのピンを刺して完成。

「いただきます。」

文目はキッチンでただ一人、食べ始めた。


貸家

「アンパンと牛乳もそろそろ飽きたな…」

愚痴をこぼしながら昼飯を食べていた。


ガチャ…


「ん…?」

文目も、梨楽も反応した。

「なんか来た〜…つ〜か〜れ〜た〜。」

と、梨楽はパソコンのモニターを見た。

文目のアパートの入り口にある、隠しカメラからの映像のようだ。


アパート

「すみません…あの、花屋の向かいの、お肉屋さんあるじゃないですか。そこのメンチカツもらって、私、少食なので、竜胆さんだったら食べられるかなって…」

アヤだった。

「あ…いま、ハンバーガー(コイツ)食ってて…」

「だったら、夜食べてください。お願いします!」

グゥ〜

アヤのお腹が鳴った。


貸家

「ムキーッ!って、あいつ(アヤ)絶対竜胆文目のこと好きでしょ!ああいう片っぽだけいちゃついててさ!いや待てよ…竜胆文目が…(うと)いのか。」


リング

「それじゃあ15分後の第1シードに決定ね。」

「ちょっとどういうことですか!」

「先着なんだよこっちは!文句付けんなこんにゃあろぉ!」

「あの、ゼウス…さんですよね。僕は…」

ウッ…!

ゼウスは手を変化させて水琴を突き刺した…

何かを抜き去った。

「理性、抜いといたぜ。俺もそろそろ時間だからな。」

「「「「「「「「「イイェーイーーーーーーーーーー!」」」」」」」」」」

ゼウスはリングに上がった。

相手は筋肉だらけの男だった。

「Ready...............fight!」

「さっさとキメるか…」

ゼウスは、神々しい姿…いや、神そのものへと姿を変えた。

「「「「「「「「「イイェーイーーーーーーーーーーーーー!」」」」」」」」」」


つづく

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