表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

第6話 大野誠、戦闘開始します!

病院

ある男が座っていた。

すると手術室から彼の妻と医師が出てきた。

「文目は!」

医師は首を振った。

「どういうことですか?…」

「残念ながら、手遅れでした…」

「そんな…」

男は泣き崩れた。




やめて!…

花屋

バタン!

文目、高城文目が倒れた。

その音に気づき店長が駆けつけた。

「ちょっと!文目ちゃんしっかりして!」


ビル屋上

ダァァァァ!

文目は草蒲を思い切り殴…ろうとした。

文目は拳を止めた。

「どうした?殴らないのだったらこっちのターンだ!」

草蒲は頭部の蒲公英(タンポポ)の種を文目に飛ばした。

火花が散った。

グァァァ!


花屋

…ハッ!

高城の方の文目が目覚めた。

「だいじょぶアヤちゃん?」

「はい…あのこんなに倒れちゃってすいません…」」

「もう3回目だから慣れたからさ、ね。」


警察学校

「50分!あと10分!」

成瀬に警視庁長官が質問した。

「あの右から4番目の子あんまり疲れてないようだね。あれ誰だい。」

成瀬は答えなかったが、その右から4番目の子は大野だった。

先ほどコーヒーがかかった関係者は、上着を脱いでモニターを見ていた。

「なんだこのスーツ。コーヒーがかかって正解じゃぁないか?」

そう言ったのはあの綾助だった。

「なんだその口の利き方は!」

「あぁ、自己紹介を忘れていた。若宮綾助だ。」

「若宮、あの若宮グループの!」

うんうん。綾助は頷いた。

「…申し訳ありません!口を慎まなければいけなかったのは私のほうなのに!」

「まぁいーまぁいー、まぁとにかくあれだ。このスーツ、スチュアート・ヒューズの59万9000ポンドのやつだろ聞いたことがある。でもこれよりセロッティのほうがお似合いってことだ。」

「セロリ?」

はぁー

綾助はため息をついた。

モニタールームに警察関係者が入ってきた。

持久力テストもあと10分のところで警視庁長官のもとに連絡が来たのだ。

吾条(ごじょう)だ…何だと、USを持っている2人組が警視庁を占拠した?」

すると関係者は皆長官の方に注目を集めた。

「すいません…」

梨楽が戻ってきた。

「んん…貴女は…!」

綾助は気付いたようだ。

「あれ、アンタ…いやちょ…まず部屋出て。」


「なんであんたいんの?何?警視庁のとか、国連?」

「何を言っているんだ我がフィアンセ。それよりこの愛らしい頰が涙で濡れている。何か悲しいことがあったらこの俺に打ち明けろ。」

べチン!

梨楽は綾助に思い切りビンタした。

「あーもうウザい!ホントイライラするからどっかいって!」

「ありゃ?我がフィアンセよ何処に〜!俺はただオーバーテクノロジーとたったの2兆円を寄付しただけなのに〜じいや…」



警視庁

「あのさぁお偉いさんのいるとこってどこ?」

「…」

「だよねーいえるはずないもん 。」

彼が話しかけたのは顎を吹き飛ばされ、瞳の輝きを失った女だった。

バババババ…

「うるさい…」

もう一人の男、條野透(じょうのとおる)が呟いた。

2人は顔を出した。

「なんなんだ…こちら第一ヘリ。犯人は一体なんなんですか!こちら第一ヘリ!自分はもう、自分が見ているモノがなんなのか、目を疑っております!」

犯人の衝撃的(カイブツ)な姿に恐怖を抱いていた。


ビル屋上

文目はボロボロになっていた。

「あーあ、もう死ぬの?」

ハァァ…ハァァ…

ダァーッ!

文目は草蒲を掴みビルから飛び降り、道路に突っ込むような形になった。

ゴシャァァァァン!

異様な音が響き、通行人はその響きのもとに集まった。

「何だ?何だなんだー?」

通行人は落ちてきたモノを見た。

ハァ…

落ちてきたモノが動いた。

「なんだいこの群衆は?」

草蒲が喋り出した時点で通行人の大半が逃げ出した。

「逃げちゃったか…まぁそっちの方が良い。さぁ続きだ。」

ドォラァ!

文目が起き、戦い始めた。

ドゥララダァーッ!

文目の連続パンチ。草蒲に効いたようだ。

「やっと本気を出したか。やってみな!」

ウゥルァ!

文目は首を掴んだ。

引き抜くように…


警察学校

「終了!」

60分間の持久力テストが終了した。

結果、残ったのは一人。

大野誠一人だった。

「ハァ…疲れた…」

大野は寝っ転がった。

「そんな時間ないの!サッサと起きて。」

成瀬がトレーニングルームに入ってきた。

「あ、ですよね…次ってなんでしたっけ。」

「実戦よ。警視庁で。」

「?」

大野は意味がわからなかった。


城南大学ホール

水琴たち十数人はテレビを見ていた。

どのチャンネルのニュースも警視庁襲撃の事件についてだった。

トントン

誰かが水琴の肩をたたいた。

「いやぁ大変だなホント。」

熊のように大柄で、髭を生やした30代ほどの男だった。

「どちら様ですか?」

「まぁここらは信じないだろうけど、神だ。」

「?」

水琴は席を変えた。

「いや、ちょっと…あのマジだからさ。ちょ…」

普通信じるはずない。水琴はホールから逃げた。

“自称神”は諦めた。


警視庁

バババババ…

シュシュシュシュシュ…

ガチャ、ガチャ…

「誰か来ている…」

條野が呟いた。

「うんわかった。さっさと潰そう。」

ガチャ…

ザザ…目標捕捉。早くやっつけて。

成瀬の音声が聞こえた。

「大野誠、戦闘開始します!」

ダダダダダダダダダダダダダ!

ガトリングが唸り、2人組のうち一人、テロピアが肉片(ミンチ)、いや、肉をグチャグチャにしてできた、液体のようになった。

もう一人、條野は、

「どう?撃てる?…」

條野は人間の姿に戻っていた。

「ヒヒヒヒヒ…殺してみなよ…ごくごく普通の、人間の、僕を…」

ザザ…そんなの気にせずに、あいつの判決は、死刑だから。

「ほら、早く…殺るんならさっさとやってほしいな…」

カチャ…

大野は銃口を下ろした。

「あぁあ…そんな度胸なしなんだ中の人…」


どうすればいい?


某スクランブル交差点

文目も思っていた。

手には人間の姿に戻った草蒲の頭だけ。

このままつったているか? 逃げるか?

泣くか? 笑うか?


警視庁

殺すか?生かすか?

撃つか?撃たないか?



ダァァァァァァ…


城南大学

「えーと…はいただいま入ってきた情報によりますと警視庁を襲撃した犯人2人のうち1人を殺害、もう1人を逮捕したとの情報が入ってきました。また、別の場所でも都内に住む大学生が何者かによって殺害されたとの情報もあり、依然情報が錯綜しています。」


ビルの影

大丈夫?…

「いい加減答えてくれ、俺とお前はなんなのかを。」

イリス、って言っとく…


都内拘置所

條野は仮に拘置され、弁護士を雇うまで拘置所で過ごすことになった。

ガチャ!

「それじゃあこっちで用意するからそれまでここでやってろ。」

「……」

ゴン!…ゴン!…

何か衝撃が来た。

ガラッ!

誰か来た。

「…くぁ〜、よぉ…」

額が血まみれだった。

おそらく頭をぶつけてコンクリートを砕いたのだろう…

「誰だい…」

「説明なんてしなくていいだろォ…とにかくこっから出るぞ…」

「おいなんだこれは!」

看守が気付いてこちらに来た。

すると…


つづく

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ