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第5話 選抜テスト

ガァァァァァ!

文目と水琴はそれぞれ戦っていた。

文目は草蒲が変化した怪物。

水琴は草蒲の部下と。


倉庫

「ひぃぃぃー!」

水琴は残された2人の怪物をその手から出す波動弾で追い詰めた。

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!」

ドカーン!

水琴は1人殺した。


郊外

「グハァ…」

文目は草蒲から追い詰められていた。

「これ以上本気を出すと死んでしまうよ君!」

草蒲は文目を思い切り車のフロントへぶつけた。


倉庫

「あ、あ、あ、あ〜助けて〜!」

最後の1人が腰を抜かして逃げた。


郊外

グシャァン!

文目は元の姿に戻り、気絶した。


あれ?…竜胆さん!


病院

文目は目を覚ました。

「あ゛〜ご先祖様が花園で待ってる〜。」

「あんたに言ってんの骨折くらいで。」

ここって病院か?

文目はベッドから出ようとした。

しかし痛い…

胴体に何か巻かれていた。

おそらくあばらにヒビが入ったか、折れたのだろう。

「あ、竜胆さん動かさないほういいのに!」

高城文目が来た。

「あんた…」

「あ、あの私が通報したんです…まぁ3日も前のことなんですけども…」

彼女の話によると、道端でひき逃げされた文目を偶然近くにいたので救急車を呼んだそうだ。

「まぁ、救急車呼ぶ時に混乱していてひき逃げかどうか忘れたんですけど…」

彼女は花束と紙袋を持ってきていた。

「あのチューリップ、雨でぐしゃぐしゃになってたので…」

そう言って紙袋から、花瓶を出し、水を入れた。

「どうぞ、同じものです。」

昨日と同じピンクのチューリップが、白い部屋の中で輝いていた。


ニューヨーク国連本部

宇多原は巨大なガラス貼りの部屋の中を見た。

「これがオメガシリーズ…」

「あぁコイツがオメガ-Α(アルファ)。あんたらの国に送んのはΔ(デルタ)だ。」

オメガシリーズ。最新のU3Sのシリーズで、人がアンダースーツにパワーアーマーを装着することで、従来のU3Sの数倍もの威力の武器を扱うことができる。

日本でのUS犯罪の増加により、オメガシリーズの配備許可を得るために宇多原はここに来たのだ…


警視庁

大野は午後から用事があった。オメガシリーズの選抜テストだ。会場は大野の母校の警察学校であり、筆記試験、説明会は既に済んでいた。

「それじゃあ行ってきます。」

大野は係長に挨拶をして出て行った。

「あの、なんか変なメールきてますよ。」

刑事の1人が係長を読んだ。

「ほら、見てくださいこのテロピアっていうHNの文。」

「なになに警視庁で近日大暴れ…なぁんだそりゃ。こんなんで騒いでよく刑事になれたなぁ。」


霞ヶ関一丁目交差点

人通りも少なく、車も通らないここに、2人の人間が怪しげな雰囲気を出しながら歩いていた。

そこで大野とすれ違った。

大野は一度振り向いた。


ニューヨーク国連本部

文目の事件は、宇多原の耳にも届いていた。

「そうか…それで家系は調べたのか?」

「いいや…」

シンクレアは答えた。

「調べて無いのか?」

「そういうことじゃない。調べたけどあの男…竜胆文目はどこの家系にも入っていない。ちゃんと出自も調べたのに、だ。」

「ということで…」

ということで?

「2人目のオリジナルだ…」

「コードネームは、No.02…ということになるな。」


警視庁窓口

「どーもどーも。」

随分大柄な態度の男が窓口の職員に話しかけた。さっきの2人組の男の1人で、もう1人は無口だった。

「あの、どのようなご用件を…」

「…電話線の修理。まぁここらへんの電話線いっぺんにやられたって聞いたから。」

職員は上司にこんなことがあったかを聞いた。

「そんなことありませんでしたし、連絡も聞いてませんとのことですけれども…」

「あぁうんじゃわかった…襲撃。」

「…?」

「襲撃だッつってんだろ!」

次の瞬間2人は怪物になった。

警視庁は騒然とした。


城南大学

例の騒ぎから3日経ったのに警察が全く動かず、水琴が殺したバスケ部員は最初からいなかったように思えた。


水琴は例のレポートをバッグから出した。

水琴は暇さえあればこのレポートを読んでいた。

そしてある文を読んだ。

「この兵器を人間をフロース・フラーテルにし、神から脱却するための救済のために造る…」

フロース・フラーテル。ラテン語で「花の兄弟」という意味らしい。

神か…

そこはあまり考えようとしなかった。


病院

文目はテレビを観ていた。

でも昼の情報番組は退屈だった。

「あ、おいし〜!」

別に視聴者が食う筈のないものを適当に食ルポしているのを観るとイラッとくる。

そんな時、番組のMCが画面から外れてまた戻ってきた。

「えー速報が入ってきました。報道フロアに映像を変えます。

はい報道フロアから速報です。つい先ほど、警視庁に襲撃と称して2人組の男が銃を乱射する事件が発生しました。2人は現在も警視庁に立てこもっている模様です。」


竜胆文目…

夢の中の女がまた心に声をかけた。

フロース・フラーテルが現れた…

な、なんて言った?

あぁ説明し忘れたんだった…まぁあの怪物…すぐ向かって…

は?俺今怪我してんだぞ!

すると胸板の痛みがスーッと消えた。

どうしてそこまですんだよ?

何言ってるのあなたしかいないからに決まってるでしょ!…早く着替えて向かって!


警視庁

2人は刑事課に向かい、次々と刑事を襲った。

「ぎゃーっ!」

バン!バン!バン!

拳銃で対抗したが全く効かない。

「なぁにやってんのあんたは。」

1人がそう言って刑事の首を掴み、バキバキと骨を折った。

もう1人は3日前に水琴が戦ったフロース・フラーテルと同じ姿をしていた。

彼も自分に危害を加えたものを次々と殺していった。


病院前

一方文目は嫌々ながら私服に着替えていた。

お前!俺車とかなんも持ってねぇんだぞ!

とにかく早く!

文目の目が蒼く光り、またあの姿になった。

「ああああああああああ!ちょっと看護婦さん早く!」

隣の患者がそれを見て恐怖のあまり叫んでいた。

バリィン!

文目は地上4階からガラスを割って飛び出した。

「どうしましたか?」

「あああああああの!隣の患者の人がああああ!」

バタン!

気絶してしまった。

文目は走り出した!


自動車整備工場

「これからもなんかあったらここに来てくださいね。」

「はい、ありがとうございます。」

草蒲は壊れたフロントの修理をしてもらっていた。

そして草蒲はエンジンをかけて、車を発進させた。

しばらくして草蒲はビルからビルへと移動する黒い影を見た。

草蒲は車を止め、フロース・フラーテルになり黒い影を追った。


警察学校

「30分経過。またあげるよ。」

大野たち候補生は、ランニングマシンで持久力のテストをしていた。

別室のモニターから見ている関係者には、警視庁長官の他、U-S-Sの開発者である成瀬結澄(なるせゆすみ)、そして国連からの調査員が20人ほど来ていた。

「30分で15人中11人がリタイアしたか…あと半分あるのに…」

成瀬は落胆していた。

ガシャーン!

「あー!やっちゃった!」

誰か何か割ったようだ。

「すいません。コーヒーカップほとんど割ってしまって…」

誰かとはあの立花梨楽(たちばなりら)だった。

中にはコーヒーが入っており、何人かに思い切りコーヒーがかかった。

「ちょっとなにやってんの!」

「すいません…」

成瀬から怒鳴られ、梨楽は部屋を出て行った。


トイレ

梨楽はトイレにこもって泣き崩れていた。

あーどうしよーホント…トイレ入ってればなんとかなるってわけじゃないのに…


梨楽のスマホが鳴った。

「はいもしもし…」

梨楽は泣きながら電話に出た。

「宇多原だ。君に監視してもらいたい人物がいる。」

「誰ですか?」

竜胆文目(りんどうあやめ)という男だ…」


ビル屋上

草蒲は文目を捕まえ、殴りかかった。

「やっぱり君か…次こそ本気を出してもらいたいなぁ…」

てめぇ…

やめて!今は関係ない!…

夢の中の女は心の中から止めようとしたが、ダメだった。

オルァァァァァ!

文目も草蒲の顔面めがけて思い切り殴った。

「うぅぅ…やるじゃないか。ドォリィヤァ!」

ダァァァァ!

やめて!…


続く

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