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第1話 霞の中から見えたイギョウ

ふと彼は目を覚ました…

遠い世界から帰ってきたように…

いや、帰ってきた。






2013年4月12日

城南大学

この学校の門をたたく者がいた。

仙堂水琴

今日は彼の入学式。

両親も駆けつけている。

「ねぇ見なくていいよ本当に。」

「何言っているのよ。今日は一人息子の特別な日なもの。」

「そうだ水琴。どうせビデオも撮られているんだから、見てもいいだろ。

「ああ、うん。」

「早く行きましょ。」

新たな1日が始まるように3人は校舎に入った。


三島商事

「おはよーございまーす。」

一人のサラリーマンがこちらに入ってきた

3月に大学を卒業したばかりの新人だった。

そして何も言わずに自分のデスクに行き、PCを起動させた。

それから、自分でもつまらなくなってタイピングをやめてしまうような退屈な1日が始まった。


城南大学

校長がスピーチをしていた。

「えーまずは、大学というものは別に入学しなくても良い、つまり義務教育ではないということは皆さんは常識的にわかっていると思います。そんな中皆さんは………」

ここから忘れているけどかなり上がってたのは確かだった。これから始まる新たなキャンパスライフを心の中で想像しながら…



三島商事

男は1人で昼食を食べていた。

その男を2人のOLが噂していた。

「ねーあの新人暗くない?なんか死んでる感出してるというか?」

「なんか名前がキラキラで顔もそこそこ良くていいのにね〜。」

「てか鹿馬田大学出身でしょ?あそこあんま評判良くないんでしょ?」

「うん、てか今なんてった?なんか“しかまだいがく”って聞こえたけど10回言ってみて!」

「しかまだだいがくしかまだだいがくしかまだだだ………ヤバい言えない。」

「滑舌悪っ!」

そんな大音量の雑音を聞きながら淡々と昼食を食べていた。


城南大学

入学式が終わった。

ホールからだんだんと人が出て行った。

水琴は両親を探していた

非常に広い保護者席の中を探していた。

「父さん?」

水琴は父親「らしい」男に声をかけた。

「⁉︎」

やはり父親でなく、違う男だった。

「すいません…」

「いやこっちも…」

男はだいぶ汗をかいており、急いでる様子だった。

男は早々とホールを抜け出し、走り去っていった。

水琴は父親を再び探そうと一歩踏んだ。

グシャ!

何か紙類を破いた音がした。

封筒を、水琴はふんずけていた。

「…これって。」

水琴は封筒に垂れていた水らしきものを見て勘付いた。

「あ、水琴!ここにいたの?」

母親がいた。

「ちょっと待ってて。」

水琴はあの男を追ってホールを出た。


構内

人でごった返しの構内で水琴はあの男を探していた。が、自分とはさほど関係ないのでトボトボと歩いていた。

しかし人波は強い。

もたもたしていると人の外へと飛ばされてしまう。

今の水琴も例外でなかった。

封筒を落としてしまった。

「…ちょっと、君。」

あの男が、建物と建物の隙間に隠れ、息を殺しての最大の声で話しかけた。

「封筒は?」

「…あれは。」

男は話が聞こえるよう水琴の元に近づいた。

「今まで持って探したんですけど…落としちゃいました…」

「…じゃあいいかい?第3駐車場に30分後頼む。これ以上の会話と、封筒をここでもらう時間もない。」

「あの…」

「何事にもNOだ…」

そう言い残して走り去った。

封筒は…

何十足もの靴から踏まれ、封筒というよりかは中身の「レポート」が露わになっていた。

「すいません!」

思い切って水琴は飛び込み、レポートを取った。

「水琴ー!」

「あ、母さん。」

「校門の前で父さんと記念撮影の準備してるから、急いで!」

「うん…!」

水琴は30分でなんとかなるだろうと思い、適当に答えた。

それが仇だった。


校門

「父さんどうした?」

「レンズを…落とした。」

「え〜もう俺のスマホでいいから。」

「いやあれ高いんだ。」

「レンズだけで?」

「9万8790円。」


30分後

「早く来てくれ…」




「佐々木さん。」

「?…⁉︎」




新橋駅前SL広場

男が家に帰るために駅前にいた。

出発まで時間があるためこの際SLでも見ようかと寄っていたその時…

何か不思議な少女が目の前にいた。

最初はコスプレイヤーだと思ったがどうやら違うようだった。

「あなたは戦わなければならない…あなた自身の力で…」

「お前何言ってんだ?…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺はこの時意識というものが無かった。


誰か?目の前にいる。

異形の者が…


つづく

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