美樹の家にて(4/4) デート
今話タイトルは「美樹の家にて(4/4) デート」です。
二人のデートプラン(?)とは……。
翌朝、どちらともなく目を覚ますと、お互いがすぐ近くにあることを確認して、きつく抱擁を交わしたとき、美樹の母が部屋にやってきた。
「朝です……よ!? ご、ごめんなさい、……そ、その、邪魔しちゃった、かしら?」
「母さん、朝から何なのよ。子どもにいう言葉?」
二人はまだ抱き合ったままである。やはり、焦っているのは美樹の母だけだ。
美樹の母の対応が正しいかは分からないが、二人を見ていると、「自分は普通の感覚をどこかに置いてきたのでは?」と思ってしまうのだった。
その後、未来也は夜のうちに洗濯しておいてもらった服に着替え、美樹も今日一日を過ごす服に着替える。美樹はいつも通り、少しばかり気合の入った服装である。
「では、僕はもう帰ります」
未来也は、ご飯と泊めてもらったことのお礼を述べ、美樹の部屋でカバンを拾う。といっても、中身は大したものが入っていないペシャンコのウエストポーチであるが。
「ちょっと待って、未来也くん。私も。……母さん! 出掛けるわね!」
この広い家で、大声で呼んでもすぐには来られない。
「未来くんのお家に電話しておくわね。で、半日? 一日?」
「うーん、夕方くらいまで」
「分かったわ。そう伝えておくからね」
「何から何までありがとうございます」
「いいのよ、気にしなくて。じゃあ気をつけてね。美樹ちゃんも、未来くんに迷惑かけちゃダメよ?」
「それこそ気にしなくていいのに。迷惑だなんて思ったことないから」
美樹の家から遠ざかって。
「さあ、今日もデートよ! キミちゃん!」
二人は、いつも来ている美樹の家の近くの公園に来ていた。デートといっても、やはりお喋りするだけであるが。
ちなみに、この公園はすごく仲のいいカップルがよく来る公園として、近所では有名である。ギスギスした夫婦には「昔は自分たちもあれくらい仲がよかったな」と思い出させることもある。それくらい、二人は仲睦まじいカップルにみえているのである。
さらに、この二人の仲は中々に侵し難いようで、不良が絡んでくることも少ない。なので、二人がいるときには、『安全な日』として、子ども連れの親たちが増えるのであるが、もちろん、そんなことは二人は知ることはないのである。
『公園で愛をささやく年若いカップルの図』
わざわざ「デート」と題して、そこの描写は丸々ありません。元からありません。
デートプランなんてものは最初から存在していませんでした。
夕方近くまで延々とお喋りしているだけ……。毎日お喋りしているのに、よくもまあ話題があるもんだ、と感心してしまうぼくがいたりします……。(自分で書いて追いて……)
そのうち出てきますが、自分たちの親の前なら、キスするくらいなら恥ずかしくない二人です。(完全に二人の世界に入ってしまうので)
なんとなく、久しぶりだと思ってしまった『キミちゃん』という呼称ですが、覚えているでしょうか? そう、未来也のことですね。
さて、どうでもいい設定がひとつ。
公園の設定ですね。こんなのは要らないです。再登場することはありませんので。
ただ、これがないと600文字くらいしかないんですよ。
入れても、空白・空行含むで934文字、含まないで899文字ですけど……。
まあ、入れなかったら「今日もデートよ」で終わりなんで、ちょっと何か足りない気がしますよね。
せっかく空行にしたのに、そのあと2行って……。
「『今日も』デート」な説明。
美樹的には、未来也と一緒ならいつでもデートです。(単純明快ですね)
美樹の父が出てこない理由。
たぶん、未来也の父と釣りにでも行ってるんじゃないでしょうか?
名前は、森大地さんと、加古一時さんです。(要するに物語りに登場しません)
次話タイトルは決めていません。が、たぶん「月曜日の教室」にすると思います。
悠の苦難は続く……。
本編一話目「五月の出来事」に思わせぶりに出てきた『納葵』姉弟の名前も登場です。(主役の残り二人ですしね)
次話、いつも以上に強引な展開になります(次々話のほうが酷いか?)が、読んで頂けることを願います。2013.3.12 15:35
美樹の母のセリフ、「未来くんの家に~」を「未来くんのお家に~」に訂正しました。2013.3.12 16:30