プロローグ(1/3) 夕輝の災難
初投稿です。
前から『投稿してみたいな~』と思っていて、それなりに長くなってきたのでちょっとずつ投稿していこうと思います。
自分で読んでみて分かりにくいと思った箇所があるので注意点。
ただ『彼』とでてきたら、この「プロローグ」の主点である『夕輝』君のことです。
俺はどうしてこんなところにいるのだろう。そんなことを考えながらレンガ調の大きな二階建ての屋敷の門の前に彼は立っていた。どうせ噂なのだから。行ってきたがそんなものありはしなかったと適当に嘘を言ってしまってもかまわないと思ったが、友人との賭けに負けた罰ゲームだからと、友人との約束を果たさねばと、乗り気ではないが来てしまったのだ。
――数日前。
「翔、お前強すぎ」
「夕輝が弱すぎんだよ」
流石にほかの友人たちもその一言には反論した。もちろん夕輝のため、ではない。
「そうだよ翔。お前まだ一度も負けてないじゃんかよ」
「勝ってないときだってあんだろうが」
「それでもお前はまだ、一回もビリになってねえ」
「夕輝が負けてくれるからな」
「その言い草は酷すぎると思うぜ、流石に。お前もしや、イカサマしてんな?」
「負けたやつが配ってんだ。出来るわけがないだろう。それだと、夕輝がわざと負けてることになるぞ」
13回負けで罰ゲーム、という賭けをしたカードゲームである。次負けると彼は罰ゲームが決まってしまうので「今度こそ!」と気合を入れて配っている。そのため、会話に加われない。
「にしても、お前賭けになるととたんにつよくなるよな」
名の『カケル』と『賭ける』を掛けているのだろうか、翔は何かを賭けると強い。
「そんなことねえって」
彼を含めて5人。彼は12回負けていて、3人は3回ずつ負けている。誰がどう見ても一人負けだ
「……っ! あ!!」
彼はまた負けた。
「……失礼しまーす」
どうせ誰もいないのだろうが、一応挨拶してみる。
眼鏡を持ってくればよかった、と彼は思った。彼の視力は日常生活には困らないが、遠くを見るときや暗いところではあったほうがいい、という程度。最近は学校を気にすることがないので遠くを見ることはほとんどない。なので、眼鏡を持ち歩くという習慣が抜けてしまっていたのだ。
それでも徐々に慣れてきた目でなんとか中を見渡すと、板張りの床には動物の骨のようなものが散乱し、部屋の奥のほうには、不気味な二つの丸い光があった。
「ミャ~オ」
上のほうから低い猫の声。音がよく響く家だな、と彼は思った。この屋敷の噂は、四六時中動物のうなり声がするというもの。噂は本当だったか、と今更ながら不気味に思えてきた。ということは、あの光は猫の目か。そんなことを考えていると、
「どなた?」
と声をかけられた。ヤバイ、俺って不法侵入じゃね? と思いつつも、とりあえず謝ることにした。
「こ、この家で動物がう、うるさいという噂を聞きまして、本当かどうか……。つい好奇心で、あの、ごめんなさい!」
「ずいぶんはっきり仰るのね。でも、そんな噂になっているとは気がつきませんでした。わざわざ教えてくださるなんて、あなたはお優しいのですね」
なんとなく聞き覚えのある声。しかし、この少女とは間違いなく初対面である。もしかして……、と思い聞いてみることにする。
さて、何を聞いてみるのでしょうか。次話タイトルにて。
自分的に気になる点は、なんでプロローグ(1/3)なのか。
理由は、キリがいいところがなくてタイトルをつけることができないからです。
言い回しや行動に不自然なところがあるかと思いますが、「そういう人」ということにしておいてください。深い意味はありません。
変換ミスや漢字の間違い、この言葉意味違うんじゃない? というのがありましたら教えていただけると幸いです。
読点が少なすぎる、又は、多すぎるという苦情は受け付けませんが、句点じゃなくて読点じゃない? 読点じゃなくて句点じゃない? という指摘はあるとありがたいです。特にミスタイプが多いので。