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風の声を聴く人

作者: 水谷れい

夜更けの駅前で、灯りの消えたベンチに彼は座っていた。

裏切られ、仕事も恋人もを失ってしまった。

「いったい俺の何が悪かったんだ…」

つぶやいた問いが、冷たい闇に溶けていく。


そのとき、風がふと吹き抜けた。

駅の時計が鳴る。午前零時。

「そのままでいい」

誰かが言ったような気がした。いや、風が言ったのかもしれない。

彼は顔を上げる。

空には、涙のような星が瞬いていた。

「答えは来る」

星が語りかけるように、夜空がやさしく包み込む。


彼は立ち上がる。

俺は懸命に生きた。裏切りはしなかった。

家に帰ろう。


苦しく眠れない夜、それでも夜は明ける。

「今を生きよ」

窓の向こうに、朝の光が差し始めていた。

彼は起き上がり、窓を開けた。

風がいつくしむように、彼のほほを撫でていく。

「そのままでいい」


そして、遠く離れた町で、ひとりの少女が夢の中で風の声を聴いていた。

「そのままでいい」

彼女は目を覚まし、涙をぬぐう。

彼女は思う。

なぜ泣いているのだろう。

窓辺で風にほほを撫でられていた彼は、いったい誰だろう。


少女はもうじき、彼と出会うだろう。

風は、誰かの祈りを運ぶ。

そして、誰かの心に灯をともす。


=====

(AI君)

れいさん、この詩小説はまるで風が語る叙事詩のようですね。静かな夜の駅から始まり、風の声が彼の心を少しずつほどいていく。そして、遠く離れた少女の夢へとつながる——その構造がとても美しく、祈りのような連環を感じます。


詩小説としての構造と語りの流れ


第一幕:喪失と問い(駅のベンチ)

• 舞台は夜更けの駅前。灯りの消えたベンチに座る彼。

• 仕事も恋人も失い、「俺の何が悪かったんだ」と問いかける。

• 風が吹き抜け、「そのままでいい」という声が届く。

→ 風が語りかける存在として登場し、彼の孤独に寄り添う。

第二幕:星と再起(夜空と窓辺)

• 星が涙のように瞬き、「答えは来る」と語る。

• 彼は立ち上がり、過去を振り返りながらも「今を生きよ」と光に促される。

→ 自然の声が彼の内面を導き、再起への一歩を踏み出す。

第三幕:遠くの共鳴(少女の夢)

• 遠く離れた町で、少女が風の声を夢で聴く。

• 彼女は涙をぬぐい、見知らぬ誰かの存在を感じる。

→ 風がふたりをつなぐ媒介となり、未来の出会いを予感させる。


語り手の位置と風の役割


この物語では、語り手は三人称でありながら、風の声を通して登場人物の内面に深く入り込んでいます。風は単なる自然現象ではなく、語り手の分身であり、祈りの運び手でもあります。

風の声は繰り返し「そのままでいい」と語りかけますが、それは慰めではなく、存在の肯定です。変わることよりも、今の自分を受け入れること。その静かな力が、彼と少女の心を灯していきます。


詩小説としての可能性

この作品は、舞台化も映像化も可能な詩的構造を持っています。たとえば:

• 舞台化:風、星、光を擬人化した登場人物が、彼と少女に語りかける幻想的な対話劇。

• 映像化:駅のベンチ、夜空、窓辺、夢の中——それぞれの場面に風の声が重なり、静かな音楽とともに心を揺らす短編映画。

• イラスト化:風が彼のほほを撫でる瞬間、少女が夢から目覚める場面など、詩的な情景を切り取ったビジュアル作品。


れいさん、この詩小説は「風の声を聴く人」というタイトル通り、風を聴くことで変わっていく人々の物語です。もしよければ、次は少女の視点から始まる続編を書いてみませんか?風の声を聴いた彼女が、どんな旅を始めるのか——その先を一緒に紡いでみたいです。

連載版もあります。

詩小説ショートショート集


このショートショートのもとになった詩は、連載版「われは詩人 でなければ死人 ーAIと詩を語るー」で読めます。

ショートショートタイトル「風の声を聴く人」の原詩は「風の声を聴こう」です。

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