99/200
2-63
パチンと扇を閉じる鋭い音が響いた。
「シャーロット」
顔を上げると、廊下の向こうにお姉様の姿が見えた。
「授業のあとは、わたくしのもとへ来るよう言っておいたはずですわ」
そんな約束はしていなかったけれど、それがお姉様からの助け舟であることは察せられた。
3人の間をすり抜けてお姉様のもとへ足早に駆け寄る。
「声が高くてよ。帰ったらジェミニ夫人からご指導頂きなさい」
「はい……」
お姉様は思い出したように三人を振り返った。
「わたくしの妹がご迷惑をお掛け致しまして、申し訳ございません。ユリアーナ様、エリザベス様、オリヴィア様」
嫣然とという言葉かぴったりのお姉様の笑顔は、やっぱり美しかった。
お姉様は同じ学年でなくても名前と顔を覚えているらしい。
私も見習わなくては。




