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何度か意識が浮上するたびに、湯冷ましを飲ませてもらった。
時々額に当たる手巾が変えられて、火照った頭に心地よかった。
そんなことを繰り返して、次にはっきりと目が覚めたのは
窓から夕陽が差し込むような時間だった。
アンナさんが器の乗った銀盆を持ってきてくれた。
「食べられそうなら、少しでも召し上がってください」
それはミルク粥だった。
こんな迷惑をかけてしまったのに、食べてもいいのだろうか。
「食べられないですか? ほかのものがいいですか?」
首を横に振って、器を手に取る。
ミルク粥を食べているうちに涙が出てきた。
ここへ来て初めて食べさせてもらった味。
優しくて、甘くて、幸せの味。




