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自分をあの環境から救ってくれたのは公爵様だった。
助けてもらったことも、ここへ連れてきたもらったことも
ほとんど覚えていない上に、ろくに口もきけなかったことを今更思い出す。
今日は改めて公爵様と奥様に挨拶をするのだとメアリーさんが教えてくれた。
言わなくてはいけないことがたくさんある。
助けてもらったお礼。
引き取ってもらったお礼。
そうしたことに感謝の言葉も伝えていなかったことをお詫びして。
今日もお姉様の小さいころの服を着せてもらって、お姉様に手をつながれて談話室に入った。
「さあ、シャーロット、ご挨拶を」
まだ正しいお辞儀は出来ないから、精一杯頭を下げる。
「助けていただいて、ありがとうございます。旦那様、奥様」




