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ぱっと目が覚めて飛び起きた。
今はなんどきだろう。
寝台から飛び降りて緞帳をめくる。
空が明るくなりつつあった。
着替え、と思ったが、何を着たらいいのかわからない。
二日も続けてご飯を食べさせてもらって、ようやく実感がわいてきた。
信じられないことに、これは夢でも天国でもないのだ。
今朝もメアリーさんが着替えをさせてくれた。
今日こそは言わなくては。お仕事を下さいと。
ペンと紙が用意されて、今日も字を書く練習をするようだ。
天使様が向かいに座ったときに、思い切って声を出した。
「あ、あの……あ……お、お嬢様……」
絞りだした声は小さく喉に引っかかってかすれたけど
天使様は少しだけ目を見開いて私を見た。




