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天使様が扉の前で止まった。
途中にもいくつか片開きの扉や両開きの扉があった。
この扉は、家の奥様の部屋のような立派な扉だった。
もしかしてこの場所の"奥様"がいらっしゃるのだろうか。
後ろから来ていた女の人が扉を開ける。
軋むこともなくなめらかに開いた扉の向こうには、立派なお部屋があった。
絨毯は明るい青。
高い天井まで届く立派な窓に、レースと織物の二重の緞帳。
寝台に掛かっているリネンも真っ白だ。
白塗りの鏡台には大きな鏡までついている。
いくつもランプを使って照らされた内装は
旦那様の部屋と奥様の部屋を足したくらい立派だった。
でも、たくさんの置物や宝石箱がごちゃごちゃと置かれていないから風通しが良さそうだ。
このお部屋の掃除なら、物を落としてしまったり
宝石が見つからなくて叩かれることもなさそうだと思った。
今はすっかり日も暮れて、緞帳も下ろしてしまっているが
朝になって窓を開け放てばきっと気持ちがいい。
誰の部屋なのか聞こうとしたら、天使様が私に言った。
「このお部屋はどうかしら」
どう、というのが分からなくて、素敵なお部屋ですねと答えたら、天使様は笑った。
「メアリー、お願いね」
メアリー、と呼ばれた女の人が私をクローゼットの前に立たせた。




