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手袋を着けてもらったあとに、急いで周りを探したが
さっきまで着ていた服がなくなっていた。
代わりに、淡い黄色の衣装を着せられた。
襟と裾にレースのついた、お嬢様のものよりも厚い絹の衣装。
「念のために聞くけれど、前に着ていたあの服は、なにか思い入れのある品かしら?」
天使様に聞かれて、首を横に振った。
メイドやじいやが残してくれたものは
毎日の仕事であっというまに穴があいたりしてダメになってしまった。
つぎはぎして使っていたけれど、どうにもならなくなって
メイドや料理人に何度もお願いして、やっと投げ渡されたものだった。
「お嬢様のお小さい頃のものが残っていて良うございました」
衣装を着せてくれた人がそう言っていた。
遅れて言葉の意味がわかってぎょっとした。
「私が着たら、汚れてしまいます」
いつも言われていた。
お前は汚いと。お前が触るとものが汚れてしまうと。




