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遠くから声が聞こえる。
抱き上げられて、温かいものに包まれた。
そのまま運ばれて、家の中に入った。
話し声、というより怒鳴り声が聞こえていた気がする。
抱き上げられたまま再び外に出て、立派な馬車に乗せられた。
旦那様たちの馬車よりも立派な馬車。
こんな立派な馬車に乗ったら汚れてしまう。
さらに自分が包まれていたのが立派な毛皮の外套だったことに気が付いて、ぞっとした。
慌てて外套を返そうとしたら、その人はまた外套を着せかけてくれた。
このまま着ているようにと言われて、言われるがまま外套に包まれて縮こまる。
緊張していたはずなのに徐々に体が温まり、馬車に揺られるうちに眠ってしまった。
どれくらい眠っていたのだろう。
優しく揺り起こされて案内された、見たこともない広い玄関。
家の玄関とは違う、淡い花のような色の石で柄を描いた床。
真っ白な柱と深い色のつやつやの階段。
そして。




