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何度目かの夏が過ぎて、今年の冬は特に寒さが厳しかった。
大雪になったその日、雪かき道具を投げ渡された。
「服が汚れてかなわん。門から玄関までの雪かきをしておけ」
周りをみても誰も雪かき道具を持っていない。
一人でやれということだろう。
持っているだけの服を重ね着して外へ出る。
着古して薄くなった布地を3枚ばかり重ねただけでは、寒さを防ぐにはまったく足りなかった。
穴の開いた靴から冷たい水が滲みる。
息をすればするほど内側から凍っていくようだった。
一度に持ち上げられる雪はほんのわずかで、雪かきは一向に進まない。
冷えて動かなくなった足がもつれて、雪の上に倒れこんだ。
冷たい雪は、服を濡らして体もどんどん冷えていったのに、不思議なくらい気持ちよかった。
このまま眠ってしまえたら。




