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最初は間違えたのかと思ったのだ。
いつも出てくるはずの果物がなくて。
他の人のお皿に乗っている卵が自分にはなくて。
「私の卵がないわ」
最初のうちはすぐに持ってきてくれたのに
あるときから、ありませんと言われるようになった。
メイドが、知らない人に変わっていた。
ある朝、いつも起こしに来てくれるサリーが来なくて
どうしたんだろうと一日過ごして、次の日も、その次の日も
サリーはいなかった。
特別な日に履く、ぴかぴかの大好きな靴。
あの子が勝手に履いていたから返してほしいと言った。
「少し借りてるだけよ。今度返すわ」
あとになって、泥だらけになったボロボロの靴を投げ返された。
もう寸法が合わなくなって履けなくなった頃だった。




