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二日目はわたくしの身支度と朝食を終え、わざと遅い時間に軟禁室を訪れた。
眠りこけていたボロ雑巾は慌てて逃げようとしたが、
メイドに取り押さえられて、またわたくしのお古を着せられている。
ようやく一日目のボロ雑巾から人らしい形にはなったが、
とてもではないが人前に出せるものではない。
当然、我がミザール公爵家の食堂になど入れられないので、
軟禁室に昨日と同じ煮溶けたパンを運ばせた。
食事を監視していたわたくしが気になるのか、ちらちらと盗み見てくる。
まったく、早く躾をしなくてはならない。