21/200
21
社交シーズンが本格的に始まる前にやらなくてはならないことがある。
衣装の新調だ。
いままではほとんどわたくしの古着を着せていた義妹だけれど
社交界に出るとなれば公爵家の名に恥じない装いをさせなくてはならない。
仕方がないので仕立て屋を呼ぶ。
義妹の意見や好みなど全て無視する。
同席だけはさせてやるが、
商人が持ってきた布地と意匠はわたくしが決める。
まったく好みではない衣装に悔しがるといい。
続けて宝石商が大粒の宝石を次々に広げてみせる。
どれも最上質の素晴らしい宝石ではあるけれど
義妹には過ぎた品なので下げさせる。
なにも選ばないわけにはいかないので
小粒の宝石をいくつか選んだ。
ただし、今すぐには使わない。
ただでさえこの時期は忙しい職人たちに
今から義妹ごときに使わせる宝飾品を頼むなど迷惑極まりない。
このシーズンは我が家の蔵にあるものを使わせることにする。




