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今度は商人が宝石を次々に並べていく。
小さいものから大きいものまでずらりと並ぶと
もうなにがなんだかわからない。
家にいた頃、そういえば奥様とお嬢様がよく商人を呼んでいた。
大粒の宝石を選んでは首飾りや指輪にしていた。
その前にはお母様の装飾品を使っていたけれど
あれらはどうなってしまったのだろう。
お姉様は大粒の宝石はほとんど見ないで
粒の小さな石を気楽な様子で選んでいた。
商人は苦笑して、そのわりには少し嬉しそうに言った。
「さすがはヴィクトリア様。良いものをお選びになる」
お姉様は装飾品の意匠図を見ながら商人と相談を続けた。




