117/123
泥棒たちのすり替え大作戦⑧
「もういい」キングが立ち上がった。「おまえが俺を騙そうとしていたことは、よくわかった。おまえをどうするかは、これからじっくり考えよう。殺すか、海外に売り飛ばすか、どっちが良いかおまえにも考えさせてやる」
瞬間、大川原が地面を蹴った。必死の形相を浮かべ、みっともない走り方で逃げる。だがすぐに阿久津に追いつかれ、腕を取られた。後ろにねじ上げられ、あっけなく膝を着く。
「阿久津、こいつを車まで運べ」
阿久津が大川原を玄関まで引っ張る。そのとき、「早瀬!!」と大川原が声を張り上げた。顔を真っ赤にし、唾を飛ばしながら叫ぶ。「早瀬、おまえ、覚えとけよ! こんなことして、ただじゃ済まさねえからな! 必ずおまえのことを見つけ出して、殺してやるからな!」
玄関の扉が閉められた。それでも、大川原の怒声は止まなかった。外から、なにかを喚いている声が小さく聞こえてくる。早瀬はそれを聞きながら、ほっと胸をなでおろした。