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プロローグ
―真っ暗。
真っ暗闇の中、目を覚ました。もはや目を開けているのか、開けていないのかも分からないくらいに光が差し込まない。
何かないか?と腕を目一杯伸ばして見ても何かに触れることはなく、虚しく空を切っている。
歩くことも怖い。穴があったら落ちてしまうのでは。針があったら刺さってしまうのでは。そんな嫌な妄想ばかり広がる。
どうしたものか…
(―ちです…こっちです…)
頭の中から声がする。不思議と驚きも恐怖もせず、声の方向まではっきりと分かる。
考える間もなく歩き始める。さっきまでの恐怖は何処へやら。
―しばらく歩くと壁にぶつかった。
声はこの奥から聞こえてくる。頭の中の音なのに理解ができる。
しかし、どうするんだ?ただの壁…壊してでも進めってか?
すると
(ありがとう…)
感謝の言葉と共に壁が開き始める。そこから溢れ出す大量の光に目をつぶった。
一体ここは?誰の声?どうして俺はここに?
色々な疑問が過ぎったが、ここから全てが始まり、終わるということを感じ、光に包まれていく。
初投稿です。
何卒宜しくお願い致します。