消える男 第9話
前回の続きから今回は始まります、書いていて少し変な事があったりしたのでそのうち直したりすると思います。
「チェックメイトだ」
あヤバイこれ死ぬ、こいつマジの顔だマジで殺すときの顔してる。
まさかここで終わるのか、まだ始まったばかりだぞ、そうだ諦めるわけにはいかない、どうにかしてこいつをなんとかしないと。
「ハアアアア…エアショット」
メイは息を大きく吸い、口から空気でできた弾丸を男目掛けて吐き出す。
「…無駄な事を」
男はそう言いながらその空気弾に触れたその瞬間、空気弾が何もなかったように消滅した。
「クソまだまだ」
メイは何度も空気弾を放つがそれら全てが体に当たると音もなく消滅する。
「おら」
俺は空気弾に夢中になっている男に蹴りかかるが男の姿は消える。
「な!また消えた」
「ハァ…おらよ」
男はいきなり俺の後ろに現れ、俺の背中を思いっきり蹴る。
「痛った、クソまた消えた」
あいつ絶対に楽しんでるよな、しかしあいつの能力はなんだ、透明化だと思ってたが…どうやら違うようだし。
それだけじゃなく空気弾があいつに触れた瞬間消滅してるよな、複数の能力を持っているのか?
「フハハハ、ゼェハァゼェハァ、その程度かハァハァ、その様子だとゴホ俺に…ゴホゴホゴホゴホ」
「何なのあいつ全然攻撃当たらないじゃんどうなってんの」
「諦めてゴホゴホ、帰るんだなハハハハ、ハハゲホォ」
「喘息でも持ってるのか」
「そんな事どうでもいいでしょ、今はあいつに攻撃をしないと」
よく思い返してみればあいつ、消える瞬間と現れる瞬間に凄い呼吸してたな。
俺が攻撃しようとした時だって、深呼吸していた、最初は挑発しているんだと思っていたが、もしかして違うのか。
あいつの能力は呼吸する必要がある能力なんじゃないか…呼吸で能力だと鬼●の刃みたいだな。
呼吸か…呼吸が必要になる能力か。
「な、また消えた…ソラここは一旦下がるって…ソラ何ぼーっとしてんのさ」
そう言えばあいつ色々おかしなところあるよな、足音がない事とか透明化中に攻撃しない事とか…
いや攻撃しないんじゃなくてできないんじゃないのか、透明化にない足音に呼吸…まさかアレか地面の関係さえ無視すれば当てはまるが…
いやここは自分に自信を持て、いつまでも人に頼ってちゃあダメだ。
「ソラ大丈夫ソラ」
「え、あう大丈夫だよ」
いけない考えすぎて周りが見えてなかった今どんな状況だ。
「何こんな時にボケェっと突っ立ってんの、早く行動を起こさないと」
「多分行動しなくて大丈夫だと思う」
「は?何言ってんのこんな状況で」
なぜだろう普段は自信を持てないのに、今回は凄く自信を持てる。
「おそらくあの男は何も見えていませんよ」
「ん?」
メイが少しおかしそうに首を傾げると同時に男が突然変な所に現れた。
「チィ計算を間違えたか」
計算やっぱりこいつ透明中は何も見えてないな、よりいっそ自信が湧いてくる。
「諦めろお前のタネはもう割れた」
「なに」
「物質無視…もしくは透過、それか両方、それがお前の能力だろ」
あっているかどうかわからない、だがこの能力なら、光を透過する事で透明になる事ができるし
消えてる間攻撃しない理由も、透過してしまうからと理由がつく。
空弾丸が消えたのは…多分空気弾に透過する力を与えたからだと思う。
少ない脳みそで考えたが、これぐらいしか思いつかなかった、どうだ合ってるか。
「…50点ってことろか、大体合ってるな、だがそれがわかったところでなんだって言う、お前らが負けることはかわら…って」
「しゃああ!!当たってたマジか、あんなガバガバな推理が当たってたのか
いや〜やっぱり俺ってやれば出来る子なんだな」
男は得体も知れないような物を見る目で俺を見る。
「…な、なだこいつ、いきなりテンション上げやがって、それに50点と言っただろ、そんな物当たっているとは言えないが」
「赤点にならなければ何点でもいいんだよ俺は」
「何を言い出すと思えば、よくわからん事を」
「そうだな、俺も頭空っぽにして喋ってた、まあいつも空っぽだけどな」
「見りゃわかる」
「まあ見えているのは俺だけのようだがな」
「何を言って」
男が呆れたように下を向いた瞬間から、メイが音も無く男に近づき、男の首を締める。
「な!?」
男はいきなりのことで驚き、手に持ってきた剣を地面に落とした。
作戦は言ってなかったけど伝わったようだ、俺がこの男の注意を俺に向けている間に、隙を突いて攻撃を仕掛ける作戦。
多分メイは隙を突いただけで作戦には気付いていなさそうだけど…まあなんにしろ、上手くいった。
「さあ、答えてもらうよ、何が目的か、答えないとこの首の骨へし折るよ」
さりげなく怖いこと言うなこの人
「クソが…離せ…」
「変にイキリ散らかすからそうなるんだよ、とっとと仕留めればよかったのに」
「…クソが」
「さあ早く早く、早く答えないとこの骨へし折るよ」
メキメキ
骨が軋む様な音が聞こえたぞ、マジでへし折る気なのか。
「それは…無理だ」
「な!?」
その言葉を発した瞬間男はいきなり姿を消し、メイの拘束から逃れた。
「そ、そんな」
「ハァ、スゥ、爪が甘かったな」
男はメイの真横に現れ、メイの腹に膝蹴りを喰らわせた。
「ウッグ」
「メ、メイ」
メイは唾を吐きながら地面に倒れ込む。
「くそ、ここは引くか」
「逃げるのか」
「今回は調査に来たんだ殺しをしに来たわけじゃない」
「調査だと」
「悪いが攻略法を知られた相手に戦う気はない、俺は負けるのが嫌いなんだよ」
「逃げてるじゃん」
「…負けてない、逃げはいわゆる延長戦だ、ハァアアア」
男は大きく深呼吸すると姿を消した。
姿を消されると位置が特定できないから追えないな、しかしあいつ50点って言ってたな、って事は少し能力は違っていたのかな。
「大丈夫ソラ怪我はない」
「大丈夫ですメイさんこそ怪我は、さっき思いっきり蹴られめましたけど」
「チャット痛むだけ、特に異常はない、しかしなにあの男、いきなり現れたらいきなり消えたけど」
「さあ、でももう会う事はないでしょ」
「なんでそう言い張れる」
「世界は広い、何度も同じ人と会うなんて事狙わない以外の方法はないですよ」
「そうね、さてこの事をギルドに報告しにいかないとね、もしかしたら犯罪者かも知れないし」
「そうですね」
結局男の名前は出てこなかったですね、いやまだ考えていないとかではなく、ちゃんと考えてありますよ。