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燃える花の捜索 第8話

第8話です、今回は燃える花の巡る、とある男との戦いです、一応前後半に分かれていて、この回は前編です。

「…ハァハァちょっと待ってくださいよ」


「君運動してる、まだ登ってから10分も経ってないよ」


今俺は山の中にいる、理由は…前回見れば分かるか、この人?の依頼である花を探すために山に来ている。


しかし山に来たのはいつぶりだろうか、


山に来たのはいつぶりだろう、確か中学2年生の時に林間合宿があったな、それ以来か。


と、言っても林間合宿できた山みたいに道が整備されているわけじゃないから、登るのがだいぶきつい。


体が少し変わっているとは言え、俺は俺だな全く運動能力は変わらないな。


しかしきつい、一旦休みたい。


「そうえば今更だけどさ、君名前は」


「俺は 空宮 我一 空って呼ばれることが多いです、あなたは…」


「ふーんソラね、少し変わってるね、ソラミヤ ガイチって、別にバカにしたわけじゃないよ」


「わかってますよ」


「私の名前は クーン メイ 気軽にメイって呼んで」


クーン メイか、上の名前と下の名前を入れ替えるとメイクーンになるな、これは狙ってるのか。


毛並みもメイクーンに似てるし。


…そう言えばこの人何歳なんだろう、見た目は26歳そこら辺だけど、もしかしてそれより若いのかな


身長は…165cmぐらいか俺より少し小さいぐらいで…凄く大人ぽい。


年齢気になるけど…女性に年齢を聞くのはダメだな、ここは干支で年齢を……と思ってけどここ異世界だ、干支が通じない気がする。


干支で年齢確かめるのはやめとこ。


そう言えば依頼ってなんなんだろう、花とは言ってたけどどんな花が言われてないし…聞いておこうかな。


「あの依頼で探している花ってなんの花なんですか」


「あ〜言ってなかったね、今探している花は別名自爆教の名で知られている花、スィーサイドフラワーよ]


自爆教?って恐ろしい別名だな、それに名前のスィーサイドって確か自殺するとかそんな意味だよな。


日本語に直すと自殺する花か、凄い名前だなと言うか花がどうやって自殺するんだ、ナイフを使うわけでもないだろうし…


「あのその花はどう言う花なんです」


「その花はね、つぼみが咲き誇ると共に、発火性の液体を周囲にばら撒くの

そして、周りの温度が35度になるとね…」


「なると、どうなるんです」

「発火するの」

「発火!?、な、何のために」


「スィーサイドフラワーは発火した瞬間に耐熱性の種をばら撒く

そしてこの山ね、木が多いの、ってことは落ち葉や根っこが多いから、種が地面に届かないの

それに地面に届いても日があまり当たらないし、栄養が少ない」


「まさか燃えるのは、周囲の木や落ち葉とかの繁殖活動の邪魔になる物を燃やしつつ

その燃やした時にできる肥料を使って、種を成長させるために」


「正解、普通の花みたいに、その土地で咲けるように進化するのではなく

周囲を変え、咲ける土地を作るように進化した、それがスィーサイドフラワー」


嫌な進化だな、自分のためなら他はどうでもいいのか、まあ花に言ってもしょうがないか。


「で、それが咲き乱れると、山火事になって生態系が崩れる恐れがあるの、だからギルド本部にその花の調査依頼が1ヶ月に2回ぐらいくる」


「なるほど」


かなり危険なんだなその花、異世界とは言え迷惑な花だな、俺達の世界にはあって欲しくない花だな。


「ん?」


メイは突然その場に立ち止まる、俺は止まったのに気づかずメイに激突してしまう。


「痛ッテ、メイさんいきなり止まらないでくださいよ」


「あ、ごめんでもなんか人の呼吸音が聞こえたからつい」


「呼吸音?って僕達のではなくて」


「いや少なくとも私達のじゃない、この呼吸音的に40代男性、短剣を装備しているけど…あまり重装備じゃないから狩をしにきたわけではなさそう」


凄いな俺全然そんなのわからないけど、メイは良く聞こえるな、そういえば猫って人間の10倍耳がいいって聞くが、もしかしたらメイも耳がいいか。


まぁ普通考えても耳4つあるから。


「しかもこの先、確かずいぶん前にスィーサイドフラワーが咲いて山火事になりかけた場所だったような…」


「もしかしたら同じ依頼を受けた奴じゃないんですか」


「いやそれは違うと思う、この依頼は1ギルドしか受けれないはず、だから私以外にこの依頼を受けれない」


「だったら別の依頼でここに来た…とか」


「でも装備的に仮ではない、それに以前火事が起きたせいであまりキノコや薬草は生えてないの」


「じゃあ依頼じゃないと」


「わからないけど、嫌な予感がする」


メイはそう言うと、何の躊躇いもなく俺の腕を掴み走り出した。



「…あれ?」


メイは開けた場所でいきなり止まった、その場所には木が全く無く、何かの燃えカスのような物が至る所に散らばっていた。


「どうしました止まって」


「おかしい、さっきまで聞こえてた呼吸音が全くしない」


「やっぱり気のせいじゃないんですか」


「いや、そんなわけが無い」


メイは当たりを見渡す、一応俺も見渡すがあたりには人の気配はしない、やっぱり気のせいなんじゃないか。


そんなに探しても何もないと思うけどな、しかしちょっと疲れたし休憩するか。


「ハァァ」


「…ん?」


気のせいか、なんか男ポイため息が聞こえた様な気がしたが…周りに何もないし、気のせいだな。


「…危ない」


「ふぇ?」


メイは座る体制をしていた空宮をいきなり突き飛ばした、突き飛ばされた空宮は目を瞑り地面を転がった。


「スィゥウ、ハァァ」


「痛てて」


空宮は体についた砂や草を払いながら、立ち上がり、目を開けるとそこには、空宮がさっきまでいた場所に黒いポンチョを身に纏い腰に短剣を装備した、男がいた。


「…ダダダ誰だお前」


誰だあいつ、ってかなんであんな所に、いくら俺がボーットしているからといって、流石に後ろに男がいたら気付くぞ


いや、もしかして俺自分が思っているよりボロボロなのか、もしかしたらずっと後ろに居たけど気づいてなかったのか。


「あなた何者」


「答えてなんになる、お前らこそこの場所に何の様だ」


「私達はスィーサイドフラワーの調査に来た者よ」


凄いな、いきなり襲いかかられて、よくあんなに冷静でいられるな。


「チィ、面倒な奴だな、お前今去ったら見逃してやる」


「見逃してやる?何言ってるの、こんなに怪しい奴他っておくわけないでしょ」


「そうか、だったら覚悟しろ…スゥゥゥゥ」


男は息を吸ったその瞬間、男の姿が何の前触れもなく、姿を消した。


「な!?消えた」


消えた、消えたぞ、あいつ一体どんなトリックを使ったんだ…いやトリックじゃないな、多分コレは能力だ


レストから聞かされた話で魔法とは違う別の力があるって聞いた。


多分透明化とかそこら辺の能力ぽい、それなら後ろを取られるのも納得できる。


「ソラ一旦離れて」


「メイさん1人で対処できるんですか」


「任せてこう見えてもベテランだから、君はとりあえず離れて」


「わ、わかりました」


戦闘ど素人の俺が手を出したら足を引っ張るだけだここは大人しく離れよう。


しかし本当に大丈夫なのか、でも本人は何かしらの策があるんだ、その策に俺は必要ないだから離れて言ったんだと思う


「ハァァ、ウィンドプリズン」


メイがそう叫ぶと同時に右腕を何かを叩きつける様に下すと、メイを中心に風が吹き始めた。


風の魔法か、自分の周りを風で囲んで、男が近寄れない様にしているのか…ん?ちょっと待てそれって俺が狙われるんじゃぁ。


…警戒しておこう。


「メイさんこれからどうす…」


「ニャ!?」


俺は男に警戒しメイに少し目線を離した、そして再び目線を戻すと、メイの周りにあった風は消え、男がメイに右回し蹴りを喰らわせ、メイが地面を転がっていた。


「スゥゥウ、ハァァ」


一体何が起きたんだ、俺が目線を逸らした間に何が起こった。


「お前、何をした」


「ハァハァ、答えるハァ、義務ハァハァ、なハァ、いゴホゴホ」


大丈夫かあいつ、めっちゃ呼吸荒いんじゃんさっきまで普通だったのに、ってそんな事よりメイは大丈夫なのか。


「メイさん大丈夫」


「うん、なんとか、しかしあの風を簡単に攻略するなんて」


「あんなものゼェ足止めにスゥゥらならん、ゼェハァァゼェハァァ、さあ降参するなら今だぞ」


どうする、でもこいつすごく怪しいよな、だって花の話が出てきた敵意を見せてきたのは怪しすぎる。


下手したら山火事を起こす花だ、悪用されてもおかしくない、ほかっておくのも危険そうだな。


だったらここで捕まえて何をしていたのか吐かせた方が良さそうだな。


「…降参はしない」


「そうか、だったらかかってこい」


「君あいつの能力はまだわかっていない、戦いを挑むのは危険よ」


「奴の能力は透明化だろ見えないだけで実際にそこにいる、だったら簡単だ」


見た感じ、あいつに剣以外の武器は無い、剣に気をつけながら、この鈍器(杖)でぶん殴る少しガバカバだがいけるだろ。


まだ俺にどんな能力や魔法が使えるのかは知らないが、ただの透明化相手ならできる。


「ソラあいつは…」


「大丈夫です俺に任せてください」


俺は鈍器を強く握りしめ、走って男に近づく、が男は剣を握るどころか、動く素振りもない、なんなら呑気にあくびをする始末だ。


舐めてるな、俺がまだ高校生だからって、だが今の俺はレベル99、元の世界よりも強くなってるはず。


「…スゥ ハァ スゥ ハァ」


深呼吸、もう振れば当たる距離で、それに剣を握る動作すらない、どんだけ舐められてるんだ。


「くらえ」


俺は手持つ鈍器を力いっぱい振った。


「スゥゥウ」


「違うそいつの能力は透明化じゃない」


「…え?」


鈍器が男に当たる瞬間、男の姿は消えた、透明化なら俺の鈍器は当たっていた、だが実際は何にも当たらなかった。


鈍器は何にも当たらず、空振りし、俺は思いっきり転けた。


「痛てて」


[ハァァ、もらった]


俺が後ろを振り向くと、そこには剣を構えた男が立っていた。


「チェックメイトだ」

今回地味に2作品目に登場していたスィーサイドフラワーが出てきましたね、元ネタはゴジアオイと言う花で実在するわわかりませんが

スィーサイドフラワー同様自然に発火するそうです、かなり面白い花ですけど、実在するとなるとかなり怖いですね。

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