吊られた猫 第7話
第7話です、今回はとある少女と出会う話です、作中では女性と呼ばれですが、一応まだ少女の年代です。
店を出てから大体30分は経った、30分経ってもこの国の全てを見る事が出来なかった、思ったよりも大きいなこの国。
まあ国って作くぐらいだからな、デカくて当たり前か。
しかし変な国だな、単純に俺が慣れてないだけかもしれないけど、冷蔵庫やコンロとかが無いのに飲食店が普通に経営されている。
なんか魔法で物を冷やしたり温めたりしているらしい、その魔法で街の明かりをつけたり糸を縫ったり色々できるみたいだ。
魔法ってかなり便利なんだな、俺も何か使えるのかな、顎門が言うにはギルドから貰えるカードに能力や使える魔法とか書かれるらしい。
まあ、カードが届くまでのお楽しみだな。
「しかしこの焼きそば凄いな」
容器が煎餅見たいので出来てて食べれるなんて、それに熱すぎる事もなく冷たすぎる事もなく、丁度いい温度。
ビニール袋がないから、持ち帰りは無理だろと思っていたがこんな技術があるなんてな魔法か何か、驚いて2つ買ってしまった。
1つは俺が食べるとしてもう1つはどうしようか、流石に2つ食べたら太るかな。
グゥゥゥウ
腹の音が鳴った…俺じゃないぞ、しかし凄い音だな一体どこから。
グゥゥゥウ
音がする方を向くと、そこにはお腹を抱えながらベンチの上に横たわる黒髪の女性がいた。
グゥゥゥウ
…酔っ払いかな、でも一応声をかけといた方がいいのかな。
「…大丈夫ですか」
「ニャァ」
「ニャァ?」
なんか猫の鳴き声みたいな声がこの人からしたぞ、割とリアルなそれに気のせいか頭に…黒い…カチューシャみたいな物が…
ピョコン
あ、違うこれ耳だ、猫の耳見たいのが頭についてる、もしかして尻尾も…普通に生えてるこの国にはこう言う人も居るのか。
グゥゥゥウ
「お腹が…」
女性はそう言いながら俺が持つ焼きそばに目線を向ける、もしかして腹が減ってるだけなのか。
まあ、2つあって困ってたし、これぐらいなら別にいいか。
「食べます?」
「いいの」
「いいですよ」
俺は女性に焼きそば擬きを手渡すと、女性はそれを食べ始めた。
凄い食べっぷりだ、そんなに腹が減ってたのか、この人
…人?人なのか、姿形は人だけど、猫の様な耳や尻尾が生えてるから、どうなんだろう、猫になるのかな…いや猫じゃないだろ。
ベキベキ
女性は中に入っているそばを食べ終わると、箸や容器をバリバリと食べ始めた。
…これ側から見ると木を食ってるみたいで不気味だな、実際は煎餅みたいな感じだけど、わかっていても凄い絵面だな。
「ハァ、満足満足、ほんとありがとね君」
「いやいや別にそんな大層なことは何も、それよりなんでこんなところで倒れていたんですか」
「私はいつもギルドの料店で働いているんだせど…今日は仕事入れてないとこを忘れてて、で仕方がないからそのまま帰ろうとしたところで、力尽きちゃって」
「そ、そうだったんですね」
覚えとけよ仕事のシフトぐらい。
「ちゃんと確認しとけばよかったな、確認してればこんなことにはならなかったのに」
「飲食店で食べるって言う事はしないんですか」
「しようと思ったけど、今日ネズミの日だからできないの
ハァ…よく思い出したら、家に食料殆どなかった、ちゃんと買い溜めしとけばよかった」
ネズミの日?そう言えばこの国、ネズミぽい人をよく見かけたけど…何か関係あるのかな。
聞きたいけど、多分この世界の常識みたいなものだろうから、聞いたら俺が違う世界の住人って事がバレるな。
聞かないでおこう。
「さて、どうしたものか今日は店に買いにいけないし、家に食料もない…」
あったばっかりで失礼かもしれないが…この人はその、少し抜けてるところがある…と言うか馬鹿なのかな。
なんかどことなく雰囲気が小道先輩に似てるんだよな、でも天然ってだけかもしれない、シフトを忘れただけで馬鹿呼ばわりはダメだな。
そういえば天然と馬鹿って何が違うんだろうか、あれか品の違いか、天然は上品で馬鹿は下品みたいな、そんなイメージがあるな。
それか知性があるかないかとかかな。
「そうだ…山に行こう]
「ど、どうしましたいきなり」
「いや、食料を手に入れにちょっと山に行こうかなって」
違ったこいつ馬鹿だ、何で食料を手に入れるために山に行くんだよ。
「いや、昨日受けてた依頼があるからいずれは山に行かないといけないし、そのついでに山で食べ物探そっかなって」
「あるんですか、山の中に食べ物なんて」
テレビの松茸を探そう、みたいな番組でも、大抵が見つからない事が多いかなら、それを見ると山の中に本当にあるとは思えないんだよな。
それに毒ありそうで怖い。
「わからない、だけど花の調査依頼だし、探してたら別の物も見つかるかなって」
「花の調査?」
「よかったら一緒にやる、報酬山分けするからさ」
いいのかなまだカード持ってないけど、でもギルドには登録したから大丈夫か。
「…幾らぐらいですか」
「そうだね、確か元の報酬が25000スカラだったから、2人に分けたら12500スカラかな」
12500円か今10万円持ってるから無理して手に入れようとしなくてもいいんだけど…お金は多いに越した事はないな。
それに花を探す依頼だし、大した事はないでしょ、ちょっと山を登るだけだし余裕よ。
「わかった、俺も一緒にやるよ」
「よし、それなら行くよ」
「今から?」
「うんうん、遅ければ遅いほど危険だしね」
ん?どう言う意味なんだ、…まぁ暗くなればなるほど、魔物が出るからって意味か、ま別にそこまで苦戦はしないと思うけど。
投稿頻度が遅すぎて1週間に1回になりつつありますが、気にしないでください、ちゃんとストーリーは考えてありますし、終わりも考えてあります。
ただ少し長めになりそうです、できれば新しい作品も書いたいんですが、3作品+設定資料集となると地獄を見ることになりそうなので、新しい作品はまたいつかにします。