鏡の始まり ガチャの爆死 2話
鏡の始まり、まだ異世界転生しないのか、と思う人も居るかもしれませんが、待ってください、3話では異世界に転生してますから、安心してください。
目を覚ますと俺は鏡の中にいた、何故だろうか俺は鏡の中に居ることがなぜかわかった。
多分これは夢だな、そうなったらさっきの発言は、【目を覚ます】じゃなくて【眠った】の方が正しいな、訂正しよう。
しかし、夢か…夢なのは確かだ、夢に入った瞬間に鏡の中に居ることが分かった、それにさっきから体が宙に浮いてるし、息ができないのに、苦しくない。
「あ、あ、あいうえおかきくけこ、な、な…なしてそげにどすけべえっちばい、うん言えた、呼吸をしてないのに言えた
やっぱり夢だな、しかし変だな、なんで夢なのに自我が保ててる」
だってそうだろ、夢の中で自我を保ててる事なんてない、だったら現実か、いや違うな夢に入った瞬間に鏡の中に居るって言う設定がわかったわけだし。
やはりゆ…
「君は…」
「ウワォあ、びっくりした」
俺の目の前にいきなり女が現れた、しかも前に見た夢と同じ人、やはりこれは夢か、現れ方も何もない場所からいきなり現れたしな。
しかしあの女一体誰なんだ、前の夢に出てきた女と同じなのはそうなんだが…現実で会ったり見たりした事が無い。
「君は何を見る」
「は?何言ってんだ」
「もう一度言う、君は外で何を見る」
「な、なんの事だ、と言うよりこれはなんなんだ、なんで俺は夢の中で自我を保ててる」
「答える気は無い」
「そうか」
これ本当に夢か、まさか天国とかじゃないよな、これが世の言う天使とでも言うのか、それにしてはひと昔前のエロゲの主人公みたいな顔してるな。
と言うか、さっきから何を聞いてるんだ、【君は何を見る】だったか、何を見る…景色の事かな、もしかして今見たい景色を聞いてるのかな、だったら…
「猫島の景色を見たい」
「…………」
「…………」
「は?」
「いや猫島で猫にまみれてる景色をみたいなって」
「…は?」
「いや、お前、は?じゃなくて何か言えよ」
これじゃあ俺がただたん滑り散らかしたみたいじゃないか、ボケに何の反応もないのが1番嫌なんだぞ。
「…君はハズレね」
「ハズレ?おい人をいきなりハズレ呼ばりは酷いな」
「やはり神無月レベルは現れなかったか」
神無月?確か10月の別名だったよな、まあ今10月3日だから、ちょうど神無月だな。
「失敗だ失敗だ、また失敗だ」
「お前、さっきから失礼だぞ、失敗だとかハズレだとか、と言うかそんな連続で言わなくてもいいだろ」
「だったら大爆死だ」
「おい俺はソシャゲの最低ランクかよ」
「……ソシャゲ?」
「もしかしてソシャゲを知らない」
「それは知らないがソーシャルゲームなら知ってる」
「知ってるじゃないか」
…何なんだこの時間、さっきから無駄に時間を使ってるよな、会話できてる様な気がするけど、できてない様な気がする。
「なあお前はなんなんだ」
「…次を探すか」
「あのせめて会話をしませんか、言葉のキャッチボールて凄く大事な事だよ」
「次に行こう」
「次?お前さっきから何を言ってるんだ、まあこれは夢だから言っても意味ないか」
「…そうだ、たしかにこれは夢だ、だが私にとっては絶望でもあり希望でもある」
何を言ってるんだこいつは。
「あなたにもう用はない、早く行くといい」
女がそう言うと、女の体が部屋にあった鏡に変化しそこから無数の手が現れ、招き猫のように手を動かしていた。
「多分行けって事だよな、凄く嫌だけど」
どうする、でもこの空間俺と鏡以外なにもないしな、これ以上この夢の中で何かができるとは思わないしな。
「…女よ、お前な何者なんだ」
反応がない、隠れているのか、いや違うな多分普通にどっか行ったな、何かムズムズするな、まるでゲームでイイエを選択してるのに無理やりハイを選ばされるような、そんな気分だ。
「仕方ない入るしかないのか」
空宮は少し疑いながらも、その鏡に近づく、鏡の無数の手は近づいた空宮の体を掴み、鏡の中に引き摺り込んだ。
今回は夢の中の話でしたが、実際今回の主人公の様に夢の中で自我を保てる人って居るんでしょうか。
自我を保てている様に思えても、自我を保っていると錯覚している夢かもしれませんから、夢の中で自我を保ってると言う証明は難しいのかもしれせんね。