作戦失敗!!響く声 17話
第17話です、今回の回は今年初の投稿ですね、だいぶ遅れましたが、あけましておめでとうございます、今後ともよろしくお願いします。
『バチ…バチ』
『バ、バチ?』
2匹のアルケミックが当たりを見渡しながら外を見る、時間はもう昼を過ぎてちょっと経ったぐらい。
アルケミックが夜行性では無いため、こんな時間に眠るのは変だとメイさんが言っていたが、そんな事はどうでもいいらしい。
『ババババ』
『ズーズーズー』
『ババ』
会話しているように喋るアルケミックに1人の猫が音もなく忍び寄る。
その猫は2匹のアルケミックに気づかれる事なく、真前まで接近し、アルケミックの弱点である電気袋を爪で少し引っ掻く。
バチバチバチバチ
『ババ!?』
2匹のアルケミックから電流が流れ、苦しそうな声を上げながら、その場に倒れた。
「…ま、こんなもんね」
メイさんは手を軽く叩きながら言った。
モンスター・ステルスって言う魔法を使ったらしい、一時的に姿が見えなくなる魔法だそうだ。
すごいね魔法って。
「手慣れますね、メイさんアルケミックをこんなあっさり」
「ふふふ、すごいだろもっと褒めてくれてもいいんだよ」
「さすがす、いやぁやっぱり一流すね、俺もこんな一流のリーダーが欲しかったなぁ」
「あれ?顎門…お前どこかのギルドに所属してるのか」
「え?まぁしてますよ、チームサーティーンに」
「サーティーン?聞いたことないね、一体何してるギルドなの」
「さあ?」
「さあって」
「なんか罰金を払うまでは所属しろとさ、所属したはいいけど、特にこれと言った依頼を受けないし
やってる事は店の接客、たまにタナトスに連れられ薬草取りに行ってるけど…それ以外は何も」
「…タナトス?ってあのギリシア神話に登場する死そのものを神格化した奴か?」
「いや、たしかに見た目こそ死神とか悪魔みたいな見た目してるが
…神様か、と言われたそうじゃないし、単純に名前が同じだけだと思うすよ
なんて言ったてここは異世界だし、名前が被ったりする事はあるんじゃないすか」
それもそうか、そんな事言ったらメイの名前はクーン・メイ、逆にしたらメイクーンになるし。
アイス食べ郎も変な名前だし…そう考えるとタナトスも変な名前じゃないのか?俺が知ってる人が変な名前の人が多いからな、顎門とか。
「アギトのリーダーはそのタナトスって人なの」
「いや、サーティーンとか言うクソガキですよ、なんか店の店長とかもやってるらしいですけど
あんな子供がギルドリーダーで店を構えてしかも店長ってこの国大丈夫なんすかね」
サーティーン…心が読める子だったよな、そんでもって占いとかできる子
俺もタロットで占ってもらって、20番 審判 ジャッチメントのカードが出てきたんだよな、あまりマイナスに捉え過ぎるな、と忠告された。
「別に大丈夫でしょ、私でもギルド組めてるし」
「いやメイさんは大人でしょ」
「ああ、どこからどう見ても26歳とかそこら辺でもう立派な大人じゃないか」
俺がそう言うとメイは首を傾げ、不思議そうな表情を浮かべる。
「…え?何言ってるの2人とも、私まだ5歳だよ」
「………」
「………」
『え?なんて』
聞き間違いか、聞き間違いだよな、5歳って幼稚園とかにいる未成年のことだぞ
身長が大体110cmぐらいで、スムーズな動きが出来るようになる歳の子のこと、160cm以上の5歳がいるわけがない。
これはそう…メイさんなりの冗談に決まってる。
「…アハハハ冗談キツイですよメイさん」
「そうすよ、流石にサバ盛りすぎですよ」
「いや、本当に5歳なんだけど、ほらこれ」
そう言いながらギルドカードを取り出し、渡してきた、そのカードには間違えなく、5歳と言う文字が刻まれていた。
「…え、えぇっと、マジで」
「本当だよ」
「………」
『ええええええええ!!』
俺と顎門は声を合わせ叫ぶ、その叫び声が洞窟に反響して、すごく響き渡る。
「ちょっとうるさいよ」
「いや、嘘だろ5歳って」
「それじゃ俺がメイさんと付き合ったらロリコンになるじゃないですか」
「待って、なんで付き合う前提なの」
「いや待て顎門、ロリコンは12〜15の子が恋愛対象の奴を言う、5歳の場合はベビーコンプレックス、やくしてベビコンだ」
「いや、呼び方なんてどっちでもいいでしょ」
「待ってください先輩、たしかに年齢がそうでも姿がベビーじゃないならベビコンじゃないすよ」
「…は?」
「そんなこと言ったら合法ロリはどうなる、その理屈が正しかったら、合法ロリはただのロリじゃないか」
「いや、なんの話を…」
「合法ロリは合法なんすよ」
「アレは姿がロリなんだろ、年齢で合法かそうじゃないかが決まるなら、メイはロリ…いやそれ以下のベビーにからは…」
「もう!なんの話をしてるの2人とも!!」
メイが地面を蹴り声を上げた。
『す、すいません、つい熱く…』
「それより、あんな大声出したから、洞窟にいたアルケミックが気づいたじゃない」
ドンドンドンドン
メイが言う通り洞窟から無数の足音が響き、それら全てが外に通じる出口に向かっていた。
「数…10匹、流石にこの量を洞窟で相手するのは無理ね、一旦引いて開けた所でやるよ」
「あ、はい」
俺は二つ返事で答え、洞窟から少し離れる。
『ババババ』 『ババババ』 『ババババ』
『ババババ』 『ババババ』 『ババババ』
洞窟から6匹のアルケミックが現れ、俺達を睨みつける、まずい事になった、6匹を一気に呼んでしまった。
しかも全員獲物を見る目で俺達を見る、殺す気満々だ。
「作戦が少し狂った、けど…やるよ2人とも」
「わかりました」
「まぁ、俺達が撒いた種ですからね、きっちり後始末しますとも」
顎門はどこからか剣を取り出し、アルケミックに向ける。
奴らの弱点はお腹当たり、そこに攻撃が当たりさえすれば一撃で倒れるんだ、当たるだけなら俺にもできるはずだ
今度こそは誰の助けなく、倒してやる。




