夢そして俺。
第二部です。
津波が来た。
ここは島だ、どうせ死ぬと思った。
私は僕から視点が変わり二十歳前後くらいの体格のいい男の視点に変わっていた、始まった場所は道路の上で近くには派手なネオンの看板をつけた店が並んでいて、通りを一つか二つくらい挟んだ先には半壊のビルが建っていた。
この辺りは治安が悪くそれに比例してここにいる人間の柄も悪かった。
だが今は違った、冷静さを欠く者、死を見上げて座り込む者などと様々だったが俺はそのどれとも違った。
"自分のしたいことをしよう"
恐らく俺は動くのが好きだったのだろう、隣にいたフードを被った女と目を合わせ一緒に宛もなく走った。
高速道路の段差を飛び越えては郵便局の屋根に登り、そこからまた違う高速道路へと飛び込んでいってはまた走った。
一段落ついて女と目的地を決めた、それは半壊したビルの屋根のない最上階だった。
目的地に着くまでは一瞬であった。
上から見下げる景色はとても美しいとは言える光景ではなかった。
そんな光景になにも覚えず俺達は次の目的地を決めた、この島で一番高いビルだ、高さはスカイツリーくらいで、現実には有り得ないが途中で折れて傾いていた。
"馬鹿と煙は高いところへ行く"
などと考えながら俺は馬鹿なんだなと思い、女とそのビルを目指した。
ビルの一階は意外と狭く、受付と思われるカウンターと二階に続く階段があり、天井からは二階の床が抜けたのだろう穴が開いていて、全体的に埃や黒い炭で覆われていた。
俺達は上を目指し二階へ三階へと上がっていった。
道中の構造は明らかに普通ではなかった、異様であった。
所々に命を奪うことを目的とした有り合わせで作られたであろう罠が設置されていて上へ行くのを妨害される。
人が作ったのは確かなので銃を構え慎重に進んで行く。
銃を使うことなく十階くらいの高さまで来た、その階の壁は完全に剥がれていて強い風に煽られた。
落ちた
床が崩れているのに気づかずに足を踏み外した。
また死ぬのかと思った。
だがそんな期待は裏切られ、望んでもいない望みたくもない救済を受けた。
女が助けてくれたのだ、まだ名前も知らない、顔もまともに見ていない、そんな人が俺の変わりに自らの命を賭したのだ。
ビルでは十階だがビルが建っている立地は高所にあり、助けられはしないと思った。
最初は事実を受け入れなかった、漠然としていた、何も感じなかった、だが女が、彼女が。
気づいたら泣いていた、嗚咽を漏らし、その容姿からでは想像もできない程に泣いた。
だが今この瞬間から自分は自分だけのものではないことを知った。
それと同時に上に、最上階まで登りきる決意を抱いた。
最上階を目指すのに疲労は感じなかった、罠を避け、瓦礫を避け、扉を開け、階段を登る、そうして上へと登って行った。
どれくらい登っただろうか、足が震えるまでには登っていた、そして最上階に到着した。
そこは恐らく社長室なのだろう、高級な木製の扉があった、入ったら何をしよう、空が見たいな、景色は美しいだろうか、などと考えながら扉を開けた。
想像とは違った。
罠が設置されていた時点で先客がいるのに気づいていたはずだった。
なのに自分のつまらない想像が邪魔をした。
そこには所々解れて綿が飛び出しているソファと横長いテーブルがり、槍を持って壁に寄り掛かっている男一人と窓から外を見ている女一人とソファに座ってこちらに銃口を向けている男が一人いるだけであった。
想像とは違い過ぎた。
最後まで読んで頂き有り難う御座いました。
これで完結です。
と言うよりもここで目が覚めました。
今回は描写が少なく、より主人公に感情移入された夢でした。
好評であればこれを元に何か書こうと思っています。
なにか気づいたことがあれば教えて頂けると幸いです。




